飛行機写真を始める~その3 光の向きを考える

何回かに分けて、飛行機の写真の撮り方の基本になりそうな話を書いてみようと思います。その3回目、「光の向きを考える」です。

SNSでの写真を拝見すると、結構多いのが、「これ、光の向きを考えて撮影したのかな?」という1枚。私も撮影したことがない訳ではないので、実例を挙げてみます。

はい、こんな写真です。例えば伊丹なら、スカイパークやスカイランド原田の午前、送迎デッキの午後の時間帯、関空に至っては夏場の午後以外のすべての時間帯でこんな写真を量産することになりますね。もちろん意図的に情景としてこういう光を使える人なら良いのですが、正直なかなかうまく行きません。
逆光、という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、まさにこれが逆光です。太陽の位置が撮影者の真逆に位置する場合、被写体の撮影しているのと逆のサイドに光が当たってしまうので、黒くつぶれてしまいます。
もう一つは「トップライト」と呼ばれる状態。太陽が真上にあるので、結果的に中途半端な光の時間に該当してしまいます。逆光でもないけど順光でもない、という状態で、私の周辺ではこの時間帯は「トップだから昼飯に行こう」なんてことになる場合もよくあります。

よって、光の向きについては考えながら撮影しないといけないのですが、どうやったら光の向きは分かるのか、ということになります。考え方としては、滑走路の向きと撮影場所の関係を見れば、ある程度は想像がつきます。例えば伊丹、成田、セントレア、小牧、福岡、新千歳のように、滑走路が南北に位置している場合、滑走路の東側は午前、滑走路の西側は午後の撮影ポイントになり、トップライトになる時間帯がおおよそ午前11時~午後1時(季節変動あり)という大まかな光線が理解できることになります。
一方で、関空や岡山のように、滑走路が東西に位置していると、滑走路の南側もしくは北側が撮影ポイントになりますので、順光の時間帯が季節変動することになります。関空の展望ホールの場合は、夏場の午後は順光の時間がありますが、一方で冬場は終日逆光でどうしようもない、ということになります。上の写真は関空の午前、展望ホールで撮影したものですが、どうしようもないので押しただけ、と言う証拠写真の1枚です。


関空の展望ホールが終日逆光になる時期は、逆に海上に出れば終日順光になる訳でして、海の上に出る方法さえ確保できれば、こういう写真も撮影できる、と言うことになります。

このあたりを意識して撮影すると、おそらく「晴れてる日なのにつぶれた写真」の数も減ってくることになりますし、逆に曇りの日はこのあたりを考えなくても良いので、とりあえず撮影しておくなら、という考え方もできなくはない、ということになりますが、私は曇りの日のショットはよほどの大物飛来機でなければOKとはしていません。
逆光条件で撮ってしまった場合は、今はPCでの編集で何とかなる場合もありますが、その場合はJPEGではなくRAWで撮影しておいた方が救済できる可能性は格段に上がりますし、そちらをお勧めしたいと思います。

余談ですが、夜間撮影の場合にも順光、逆光は存在しまして、空港内の照明の場所によってこのあたりが変化してしまいます。例えば伊丹であれば、スカイパークからターミナル方向を撮影すると、ターミナルの照明で逆光に、ターミナルから撮ると、逆に順光になりますが、このあたりは補正で何とかするしかないのかもしれません。

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