Iranian Skies 2016(6日目-2 カスピアン航空でテヘランへ)

シラーズではステンドグラスが有名なナシール・オル・モルクモスク、詩人ハーフェズのお墓、そして古代ペルシャの遺跡ペルセポリスを見学し、夜のフライトでテヘランへと戻ります。ところが予定していたキッシュエアのフライトが大幅に遅延する、との情報が入ってきました。22時30分出発で、遅延した便の出発時刻は不明、とのこと。インフォメーションで聞いても、英語があまり通じていないので、話が全くかみ合いません。

翌日は早朝のフライトでイラン第2の都市マシュハドへ向かいます。さすがに遅延したフライトにそのまま乗るのは危険なので、次善策として、別のフライトのチケットを購入する方向で検討することにしました。この時間にテヘランに戻れるのはイラン航空、ザグロス航空、カスピアン航空、ケシュムエアの4社。イラン航空のフライトは出発時刻がかなり近く、チケットを買う、ということになると結構ぎりぎりになりそうな雰囲気。ザグロス、カスピアンと聞くと、ザグロスはA320でカスピアンはMD-83で運航、とのことで、結局カスピアン航空のチケットを買いなおして乗ることにしました。手持ちのイランレアルが結構少なくなっていましたが、こちらは全員の手持ちを集めて何とか発券。無事テヘランに時間通りに戻れることになりました。

搭乗券を受け取りセキュリティチェックを通過、21時40分くらいから搭乗が始まり、バスで機体へと案内されました。MDで飛ぶ、と聞いていても、実機を見るまで安心できないのですが、EP-CPVの登録番号のMD-83が私たちの搭乗待ちをしていました。

搭乗時にチーフパーサーにコックピット見学のリクエストができず、後方の客室乗務員の1人は感じがよさそうなんですが、もう1人はいまいち。往路のカスピアンのフライトがフレンドリーさ満点だったことと比較すると、こちらは微妙な雰囲気が流れています。
往路のB737と比べると、シートの柄がバラバラで、いろいろな機体のシートをかき集めて来た感満点です(^^;)。こういうところは中古機天国の国らしいところですね。この機体、1990年にメキシコのチャーター便航空会社、ラ・ツールにデリバリー、その後メキシコのTAESA、オーストラリアのコンパス航空、スウェーデンのトランスウェード、スペインのスパンエアと、奉公した航空会社すべてが運航停止になるという憂き目に遭い、ウクライナのUM Airを経てカスピアン航空に2010年にやってきたようです。

22時13分、ドアクローズ。22時15分、タキシーアウト。空港内をタキシングして22時21分、RW29Lよりエアボーン。22時25分、シートベルトサイン消灯。

さて、機内サービスはと言うと、往路はパンのみの機内食だったのに対し、復路はちょっとしたプレートのついた、そこそこのクオリティの機内食がサービスされました。同時にドリンクとして水かジュースのチョイス。イラン航空ほどではありませんが、結構サービスのグレードは高いようです。
さて、機内サービスが一段落したので、チーフパーサーにコックピット見学のリクエストをすることに。ところが機体前方はセキュリティエリアとなっていたらしく、入ってから説明をしたところ、チーフパーサーに「ここはセキュリティエリアなので立ち入りは認められない」と怖い顔で一言言われてアウト。どうもクルーの雰囲気とフライトのクオリティは一致しちゃうんだな、と思いました。

ところが席に戻ると、先ほどの「認められない」と怖い顔で言ったチーフパーサーがやってきて、「先ほどは申し訳ない。フライトセキュリティのエリアなのでそういわなければならないことを理解してもらえるとありがたい」と、私のリクエストをわざわざ聞きに来てくれたのです。説明すると、「コックピット見学は着陸後であれば許可できる。それでよければ準備しておきましょう。」とあっさり快諾。そしてチーフパーサーから「どこから来た」「何しに来た」と質問攻めに(^^;)。この便のクルーは4名で、このチーフがHさん、後方の責任者がRさん、唯一の女性クルーがAさん、後方の感じのよさそうだった方がBさんと、チーフパーサー自ら紹介してくださいました。

しばらくすると、チーフパーサーは「仕事に戻る」と戻って行かれ、私たちもほっと胸をなでおろしていると、23:05にシートベルトサイン点灯。右の窓側に座っていたので、テヘランの夜景が本当にきれいに見えます。イランの国内線で、テヘラン・メヘラバード空港行きのフライトに乗る場合は、昼夜問わずに右の窓側がおすすめです。テヘランの街や、シンボルのミラードタワー、アザーディータワーなども見えますよ。
23時22分、ギアダウン。ミラードタワーが見えたと思ったら、23時24分、RW29Lに着陸。23時28分、スポットイン。

到着後、約束通りコックピット見学をさせてもらえました。D機長、Sコパイに暖かく迎えていただき、最初は微妙な雰囲気でスタートしたフライトも、最後は大満足。カスピアン航空のHチーフパーサーの機転の利いた対応に、イランのエアラインの力というのを見た気がしました。

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