Iranian Skies 2016(7日目-2 A300クラシックでテヘランへ)

マシュハドはイスラム教シーア派の聖地になっており、イマーム・レザー廟を参拝に訪れるシーア派の人がたくさんいる、とのことでした。私たちもイマーム・レザー廟を訪問しましたが、聖地らしくお祈りをする人、そしてお葬式なども行われており、マシュハドの人々とイスラム教シーア派の密接な結びつきを感じました。

さて、マシュハドからテヘランへの戻り便は、初日にB727に乗れなければ、イランアセマン航空のB727でテヘランに戻る、という計画でしたが、初日に乗れてしまったので、イラン航空のA300に乗ってテヘランへと戻ることになりました。と言って、イラン航空のA300-600Rは欧州路線用の国際線機材なので、国内線はA300-B2/B4がいまだに使用されています。現在はA300-B2/B4が4機使用されており、うち2機は元JAS、うち1機は1980年に製造された「お婆ちゃん」ということになります。

イラン航空の関係者に聞いてもらったところ、この日はA300クラシックでの運航、しかも一番古いEP-IBSが入った、とのこと。1980年に製造された機体で、御年36歳。世界で飛んでいる旅客型のA300の中では最古参、とのことでした。

今回の旅行でイラン国内線に乗るのは最後。せっかくならメヘラバード空港への着陸で、テヘランの街を見よう、ということになり、全員右の窓側の席を取ってもらいました。
さて、いつもの通りセキュリティチェックを通ってゲートで待ち、バスに乗せられて飛行機へ。A300のL2ドアから搭乗になりました。機内は2-4-2の今や標準となったエアバスの客室ですが、オーバーヘッドストウェージがありません。どうもこれ、中央列のストウェージはオプションだったようですね。現在のエアバスのワイドボディでは標準化されていますが。
搭乗率はかなり低く、Bコンパートメントにしか乗客が乗っていない状態で、しかも満席ではありません。しかもクルーは定員分乗せている訳ですから、かなりおいしい、イラン航空にとっては赤字でどうしようもないフライト、ということになりそうです。

14時にドアクローズ。なかなか出発許可が出なかったのか、タキシーアウトまで15分ほどかかりました。なぜか5分ほど先行するA320のフライトがあり、なぜこのフライトが運航されているのか疑問なのですが、このA320のフライトが先に出発していきました。14時23分、RW31Rよりエアボーン。14時31分、シートベルトサインが消灯になりました。

このフライトでも機内食のサービスがあります。イスファハン行きのイラン航空でホットミールが出たので、このフライトでも期待していたところ、ケバブのホットミールの機内食が出てきました。ほぼ国際線グレードの機内サービス、ということになります。右側に座ったので、アルボルズ山脈もよく見え、機内食を楽しみながらのテヘランへのフライトとなりました。

さて、巡航中にいろいろと交渉事を済ませておかないといけません。往路のマハンエアで機内撮影云々が出てきたので、復路はチーフパーサーにあらかじめいろいろなことの許可を得ておきたかったこともありました。客室の撮影とコックピット見学のリクエストをチーフパーサーSさんにお願いすると、「客室は一番前のAコンパートメントのみセキュリティエリアなので撮影禁止、コックピットは機長とインフライトセキュリティに聞いておきます」とのこと。着陸後は基本的にOK、とのことで、着陸後は間違いなく見学させてもらえる、ということになりました。

そうなるとCコンパートメントが完全に空いているので、撮影大会です。客室全景の撮影から始まり、トイレなどの撮影を15分ほど楽しむことができました。今やA300クラシックの旅客機に乗ることは無理に近く、私自身も以前このブログで「そのうちイランでも行かないと乗れなくなる」とA300-600のフライトルポに書いていますが、現状まさにその通りの状況になっている、と言ってよさそうです。
客室乗務員の方々も時間があったのか、結構相手をしてくれたのですが、いつもの通り質問攻めに(^^;)。まあ、これがイランでの会話の糸口になるので、なかなか楽しいひと時ではあるのですが。

国内線のフライトなので、すぐにシートベルトサインが点灯になってしまいます。15時16分、着陸に向けたシートベルトサイン点灯。おそらく高度を下げ始めたタイミングで点灯になっているようで、結構まだ高層を飛んでいました。ゆるやかに高度が下がって、テヘランの街が見えてきます。15時32分、ギアダウン。よくAirliners.netやJetphotos.netに、アルボルズ山脈をバックに、ミラードタワーが背景に入っている写真が出てきますが、まさにそれを機内から眺めている状態になる訳ですね。15時32分、ギアダウン、15時35分、ランディング。短いとは言え、CF6のサウンドを満喫したA300クラシックの空の旅が終わりました。

降機の前にコックピット見学へ。3人乗務のエアバスワイドボディ、というだけで十分に面白いのですが、当然コックピットは計器に埋め尽くされたタイプの物になります。1991年にオリンピック航空で入れてもらったはずなのですが、もう20年以上前であまり覚えておらず、こんなコックピットだったかな、と思いつつ写真を撮影させてもらい、客室乗務員の皆様にもお礼を言って機を後にしました。

こんな写真を撮影すると拘束される危険性もありますが(^_^;)、やはりA300クラシックの姿はカメラに収めずにいられません。1枚だけさっと撮影してターミナルへのバスへ。
往復でA300-600とA300-B2に乗れるという、実はA300もお気に入りの機体である私にとっては最高のフライトを以て、イラン国内線全9フライトはこうして幕を閉じました。

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