飛行機撮影でEOS Rはどこまで使えるか(その1)

キヤノンのフルサイズミラーレスとして登場したEOS Rは、発売直後、口コミサイトなどでかなり「使えない」と言う評価がされていたのですが、一方で今時のカメラらしく、ファームウェアアップデートによってメーカーがカメラを進化させることができる訳で、昨年秋あたりから「結構使える」と言う評価も散見されるようになってきました。
今回の記事では、現在の最新ファームに更新したEOS Rを使って、飛行機の撮影に使用した事例として紹介してみたいと思います。

Japan Airlines Boeing767-346/ER JA613J at ITM/RJOO (March 2020)

私自身、普段の屋外での日中の撮影は、ISO100でシャッタースピードが1/500、絞りF8がだいたい標準になっています。自動露出にする場合ならTV(シャッター優先)で1/500、ISO100にセットするので、この条件での撮影になります。
撮影した事例としてはこの通りです。民間機を被写体にする場合、おそらく従来の一眼レフと変わらない撮影が可能です。

Japan Air Commuter ATR42-600 at ITM/RJOO (March 2020)

しかし、いくつかミラーレスならではの問題もあります。一つはシャッターが切れるタイミングで、ファインダーが一瞬暗転するのですが、光学ファインダーと比較すると少し長い気がすること。もう一つは、「パラパラ漫画」と言われる不自然なファインダー像です。
この点については、もう「慣れ」しかない、と言うのが正しいのかもしれません。私自身、これまで複数のミラーレス機を使って来ました。EOS M2は全く使い物になりませんでしたが、電子ビューファインダーを装備したEOS M5やEOS Kiss Mでは、電子ビューファインダーを介して撮影すれば、慣れは必要ですが普通に撮影できる、と言った感覚です。
もう一つ、電子ビューファインダーは「見えている画像がそのまま撮影される」と言う点があります。従来、光学ファインダーだと、露出の設定がオーバーもしくはアンダーになっていても、気づかないでシャッターを切ってしまう可能性は十分にあったのですが、ミラーレスでは表示されている画像がそのまま記録される、と言うことになります。
ただし、電子ビューファインダーの解像度の問題は常に存在し、「見えている画像」がだいたいどのように撮影できるのか、と言うことは分かっても、見えているそのものではない、と言う点が、やはり光学ファインダーとの大きな違い、と言うことになりそうです。

Japan Airlines Boeing787-8 Dreamliner JA848J at ITM/RJOO (March 2020)

次に、カメラの設定です。基本的に従来の一眼レフとの差は、私自身はあまり感じませんでした。EOS 5D MarkIVとの差だと、マルチコントローラーがなくなってマルチファンクションバーに置き換わっているのが最大の特徴で、撮影モードの切り替えもMODEボタンを押してから電子ダイヤルを回す形になるので、少し従来とは勝手が変わります。
マルチファンクションバーは設定もしづらく、いろいろなサイトで結構たたかれていましたが、実際に使ってみると何をどう設定しても使いづらく、しかも設定できる内容に限りがあります。これは大きなマイナス点です。私は結局AFフレームを割り振って、機体全体にピンを合わせるかそうでないかの切り替え程度にしか使えないという結論に至りました。

リモコンも有線、無線の双方が使用できますし、連写もサーボAFで秒間5コマですので、5D4よりかは遅いのですが、基本的な動作面では、5D4と同じような使い方ができそうです。コロナ禍でキヤノンのサービスセンターが休業になってしまい、5D4のオーバーホール期間中に使うつもりで入手したEOS Rが、普段の撮影でほぼ対応できてしまったので、5D4のシャッター回数抑制に一役買うことになったのでした。

(作例はすべてEOS Rで撮影)

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