JALのJT9D装備の767(その1)

JALのフリートに2016年まで残っていた、プラット&ホイットニー社製JT9Dエンジン装備のB767。デビュー当時は-200が3機、-300が13機の、合計16機の大所帯でもありました。2015年までは、機内に入ると何とも言えないレトロ感に満ちた客室と、エンジン音はB747クラシックを彷彿とさせるJT9D-7R4Dエンジンの独特のサウンドを聴くことができました。

この16機のB767、実はB767の中ではかなりの異端児で、PWエンジンを装備することを選んだ航空会社の場合、大半が当時の最新エンジン、PW4060を選択しているのですが、JALはB747との整備共通性からJT9D-7R4Dを装備しています。プロダクションリストを見る限り、このエンジンを装備したB767はJALの16機のみ。日本の航空会社は、B747SRやB747-400Dと言った特殊用途機材で注目を集めることが多いのですが、実はDC-10やDC-9-81など、異端児を導入しているケースが多々あったりします。

今回、その「異端児」のB767の16機を3回に分けてご紹介していこうと思っております。写真はデジタル時代になってからのもので選択しておりまして、フィルム時代に撮影済みで条件良く撮影できている機体も、今回はデジタルでのご紹介、と言うことで、クオリティの悪い物も多数含んでおります。悪しからずご了承ください。

JA8231 LN117 DEL JUL. 22 1985

Japan Airlines Boeing767-246 JA8231 at KIX/RJBB (20 June 2009)

1985年7月にデリバリーされたJAL向けB767-200の1号機です。1993年から1995年までJTAにリースされましたが、その後リースバックになっています。JALでは国際線を中心に活躍。2011年3月にJALからは退役し、アメリカのダイナミックエアウェイズ所属に。その後、ジェット・ミッドウェストグループという得体のしれない会社所属になっていますが、再び空を飛ぶ可能性は低そうです。

JA8232 LN118 DEL AUG. 15 1985

Japan Airlines Boeing767-246 JA8232 at KIX/RJBB (20 June 2009)

1985年8月に、初号機に続いてデリバリーになったJAL向けB767-200の2号機です。同じく1993年から1995年までJTAにリースされていました。2011年に退役し、ダイナミックエアウェイズを経て、新興エアラインとして3度目の設立となったイースタン航空の機材として運用されているようです。この記事を書いた2019年3月時点でも、北米とカリブ海のチャーター便として運航された履歴がFR24などで確認できます。

JA8233 LN122 DEL NOV. 12 1985

Japan Airlines Boeing767-246 JA8233 at KIX/RJBB (16 August 2009)

1985年11月デリバリーの3号機。こちらはJTAリース履歴はなく、JALの国際線を主体に活躍していました。2011年に退役し、2011年9月から2014年4月まで、タイのジェットアジア航空で活躍していました。ダイナミックアビエーショングループに所有権が移転した後は状況は不明で、おそらく再び空を飛ぶことはなさそうです。

JA8234 LN148 DEL SEP. 25 1986

Japan Airlines Boeing767-346 JA8234 at NRT/RJAA (9 September 2006)

1986年にJALにデリバリーされた納入1号機ですが、一方でこの機体は、B767-300の製造1号機ではありませんでした。JALでは国内線と日韓線で活躍。2009年に退役、スクラップになっています。

JA8235 LN150 DEL OCT. 2 1986

Japan Airlines Boeing767-346 JA8235 at KIX/RJBB (29 April 2008)

1986年にデリバリーされた納入2号機です。JA8234とほぼ同じ時期の製造で、ラインナンバーも1つ飛んでいるだけになっていますね。こちらも国内線と日韓線で活躍した機体で、2009年に退役、スクラップになっています。

JA8236 LN132 DEL DEC. 16 1986

Japan Airlines Boeing767-346 JA8236 at ITM/RJOO (3 January 2008)

1986年にデリバリーされた納入3号機ですが、ラインナンバーから、他の2機よりも早期に生産されていることが分かります。この機体、B767-300の製造1号機で、1986年1月に初飛行。テストフライトなどに使用された後、ローンチカスタマーとなったJALへとデリバリーになったようです。この機体も国内線、日韓線で活躍の後、2009年に退役、スクラップになっています。

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