コートラインのトライスター

コートラインのトライスター

タイトルの機体、私自身実機を見たことがある訳ではないのですが、実は非常に縁のある機体が、かつて在籍していた航空会社だったりします。

コートラインはイギリスのチャーター便航空会社で、1957年にロンドン・ルートン空港をベースに、バケーションチャーター便を運航していました。設立当時はAutairと言う名前だったようですが、その後コートラインと名称を変更。1972年にロッキードからトライスターをリースし、1973年に自社発注機2機のデリバリーを受けます。G-BAAAとG-BAABのレジスタの新造機は、同社のエースとして活躍するはずでした。

ところが、1974年に同社は破産し、運航停止になってしまうのですが、コートラインにデリバリーされたトライスターは、機齢も浅いことから、キャセイパシフィック航空へと売却されて行きます。キャセイパシフィックではVR-HHVとVR-HHWのレジスタで活躍していました。

前者、G-BAAA→VR-HHVはその後アイルランドのエアテュラスへEI-CNNとして売却。ウェットリースに出されることも多く、香港を拠点にカンボジアへ飛んでいたり、オールホワイトに近い状態ながらイベリアにリースされたりして活躍、2006年11月にアブダビで解体されています。

後者、G-BAAB→VR-HHWは、カリビアンウィンズにV2-LEMとして短期リースに出された後、1998年にカナダのチャーター便航空会社、エアトランサットに売却され、C-FTSIとして登録されていますが、1999年に解体が確認されています。実際は部品取り機材だったようで、エアトランサットでの写真は全く見当たりません。

このコートラインで活躍したトライスター、私がこの道に足を踏み入れるきっかけになった、「キャセイのスーパー(座席が狭い)トライスター」の一員になっていたので、なんとなく気になる存在ではあったのですが、ネット上で写真を見るくらいでした。

先日、出張のアポイントメント時間が急遽変更になり、東京で1時間半ほど時間ができてしまいました。カメラも持って来ていないので、都内で時間をつぶすことにして、とある中古ホビーショップに入ってみます。主な商品は鉄道模型なんですが、片隅にいつの間にか飛行機コーナーができていて、そこにこんな機体が売られていました。

ここまで説明したコートラインのトライスター(1:400)です。中古なのと、ブリスターが変色している、と言う理由がついて、破格で売られていたので、即時購入決定となりました。
ちなみにこちらのお店、先日はシリア航空のB747SPがやはり破格で売られておりまして、こちらもお買い上げいたしました。

この会社のスケールモデルが、中古ショップにあったことが正直衝撃でした。よく「俺しかこんなことに興味持たないだろうな」とか言ってるつぶやきをSNSなんかで目にしますが、少なくともコートラインのトライスターを買って、中古で売った人がいて、それを見つけて喜び勇んで買った人がいる時点で、2人はこの会社のトライスターに対価を支払っている訳で、マイナーすぎる航空会社に興味を持つ人が「絶対に居ない」ことはないとオジサンは思う訳であります(^_^;)。

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