Our Aircraft is Safety!

2008年にロシアに行った時のお話です。
私は、一度の旅にいろいろな物を凝縮する性質がありまして、ロシアに行った時も、ロシア機に乗る、撮るに加えて、サンクトペテルブルグとモスクワの市内観光の時間も取っていました。

モスクワからサンクトペテルブルグまでは、アエロフロートやトランスアエロ、S7航空あたりに乗ってしまうと、西側製の機体に乗せられることになります。当時のロシア旅行は個人手配が難しいので、旅行会社にお願いすることが多かったのですが、担当者に「西側機には乗りたくない」旨を伝えて手配をお願いすると、担当者も飛行機に興味のある方だったようで、ロシア航空(ГТК-РОССИЯ)を利用すれば、往復Tu-154に乗れる、とのことでした。「最近は時々ぢょーんづ様のように、旧ソ連機に乗りたい、と仰る方がお見えになりますね」と言われまして、私だけじゃないんだ、と少し安心しました。

私の方もいろいろ調べてみると、サンクトペテルブルグ~モスクワ間は、伊丹~羽田と同じくらいの便数があり、ヴヌコヴォ行きとかだと、Tu-134まで投入されていたりする一方、A320やB737あたりも入っていたり、便によってはIL-86まで投入されるなど、当日乗ってみるまで機材は分からない、と言うことになりました。

さて、当日。JALの成田-モスクワのJL421便からドモジェドヴォ空港で乗り継ぎ。ゲートに行ってみると、この機体が止まっていました。

STC-Rossiya Tupolev Tu-154M RA-85658 at DME/UUDD (11 October 2008)

レジを見てびっくり。この機体、1990年に名古屋空港で撮影していました。
その時の写真がこちら。

Aeroflot Tupolev Tu-154M CCCP-85658 at NGO/RJNN (29 December 1990)

アエロフロート塗装に加え、極東地域へのチャーター便で使用されたはずですが、いつの間にかサンクトペテルブルグに転籍になり、そのままプルコヴォ航空(その後のロシア航空)の保有機になったようです。

過去、アエロフロートのイスタンブール→モスクワで乗ったRA-85710が、数年後にウラジオストクベースに転籍になり、そのまま分割民営化でウラジオストク航空の機材になったケースもあるので、結構レジを追いかけてみると面白いことがありますね。

機内はこんな感じです。

STC-Rossiya Tupolev Tu-154M RA-85658 at DME/UUDD (11 October 2008)

離陸して水平飛行に入ると、機内サービスがありました。ドリンクだけかと思っていたら、その後で、軽食程度ですが、機内食もサービスされました。

さて、モスクワに戻るフライト。1便前のヴヌコヴォ行きは、時刻表ではTu-134での運航になっていました。ただ、本当にTu-134が飛ばなければ、変更する意味はありません。チェックインカウンターで、ヴヌコヴォ行きに変更してもらえるか聞いたあと、機材を聞きました。カウンターのおばちゃん、一言「Туполев」。次の予約してある便を聞くと、同じく「 Туполев 」。Tu-154なのかTu-134なのか聞きたかったので、どっちか聞くと、どっちも154とのこと。そしてその後、

「Our aircraft is safety!!」

と仰っていました。いや、さすがにこの一言には笑ってしまいました。あれから10年以上経ちますが、今でも鮮明に思い出します。

21世紀初頭、ロシアの新興航空会社が、とりあえず中古価格の安い旧ソ連製の機体を購入し、その機体が事故を起こす、ということを繰り返していたため、旧ソ連機=事故が多い、と思われていたようです。それで、乗客からチケットカウンターのおばちゃんに「そんな危ない飛行機は乗りたくない」と言われるケース多かったことが推測できます。
当時のロシアの大手航空会社で飛んでいる旧ソ連機と、同じ時期のインドネシアの某LCCで飛んでいるボーイング737を比較したら、間違いなく後者の方が危険だったと思います。ちなみに、外務省のサイトだったかに、「旧ソ連諸国以外で使用されている旧ソビエト製航空機には乗るな」と言った記述を見たことがありますが、当時それに該当したのはイランと半島の北側だけだったと思います。

STC-Rossiya Tupolev Tu-154M RA-85753 at DME/UUDD (18 October 2008)

結局、帰り便は、予定通りドモジェドヴォへ。おばちゃんの言った通り、Tu-154で、RA-85753でした。1992年製造なので、Tu-154でも、かなり末期に製造された機体、と言うことになります。この便でも、機内食が出ました。

そんな訳で、往復Tu-154に乗ることができたんですが、実はこの旅行の前に、ある方のロシア旅行の写真を見せてもらう機会がありました。モスクワとサンクトペテルブルグに行くツアーに参加されたそうで、往復の飛行機がエアチャイナ。そして、モスクワからサンクトペテルブルグは夜行列車で、サンクトペテルブルグからモスクワはロシア航空と言う行程だったようです。
そして、ロシア航空で、Tu-154に乗せられたようで、私がその写真を見て狂喜乱舞していると、「その飛行機、今まで乗った中で一番怖かったです。落ちるかと思いました。」と冷静に言われてしまいました。
「いやぁ、ロシア機落ちませんって」なんてそこでは言えませんでしたが、実際その後、ロシア航空のTu-154は、墜落事故を起こすことなく、役目を終えたようですね。そして、「世界で最も安全なワイドボディ機」とも言われたIL-86も、その役目を静かに終えたようです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

*