韓国で見られた元キャセイのトライスター

トライスターは、大韓航空を含めた韓国の航空会社での運用実績はありません。ところが1990年代末から2000年代初頭にかけて、キャセイパシフィック航空を退役したトライスターが韓国に渡った実績が、私の知る限り2件存在しておりまして、1機については2016年12月現在、まだ機体が残っております。
今回はその訪問した履歴も含め、ご紹介させていただこうと思います。

時は1991年1月にさかのぼります。年末年始のチャーター機狙いで名古屋空港に行き、こんな機体の撮影をしておりました。

キャセイパシフィック航空のロッキード・トライスターです。当時、キャセイと言えばトライスターで、B747に乗れるのは、日本発着では成田と伊丹だけ。名古屋発着は週10便全便がトライスターでの運航になっており、常連中の常連機材でした。

この機体、VR-HHXは、1973年に製造され、アメリカのイースタン航空にN326EAとしてデリバリーされて行きます。その後、1977年にキャセイパシフィック航空に移籍。1996年まで現役で活躍しています。
キャセイを退役した同機は、アイスランドのエアアトランタ・アイスランディックへと売却。イギリスのピーチエアへのウェットリースなどを経て、1999年に英国・マンストンで解体された、とあります。

余談ですが、ピーチエアはイギリスのチャーター便運航会社で、日本のピーチアビエーションとは何の関係もない航空会社です(^_^;)。機体のデザインもピンクではなく、オールホワイトに桃のマークが尾翼に入っただけのものでした。

さて、マンストンで「解体」されたはずの機体は、1年後になぜかソウルの街中に突如現れたようです。

2000年にソウル郊外で開業したレストラン「Seoul Air Lines」は、その後3年ほど営業していたようですが、2003年に廃業。私が訪問した2004年の年末には、すでに機体は薄汚れて、かなり無残な状態になっていました。確かソウル市内の中心から、地下鉄でかなり行った所だったことは覚えていますが、詳細な場所を覚えていません。
この機体自体は、マンストン空港の解体エリアに置かれていたことは確認されているのですが、その2カ月後に消えていたため、「解体」と認識されたようでした。その間に、エンジンを外され、機体だけは韓国に運ばれて、レストラン用途で使用されていた、と言うことのようです。

その後、経営者が放置したので、荒れるにまかせた状態になっていたようですが、2007年、この地域の行政政府によって解体されています。

VR-HHXにソウルの街角で遭遇してから12年後の2016年12月。韓国旅行の折に大邱へと立ち寄りました。最近は各地からティーウェイ航空による直行便も運航されておりますが、一般的にはソウルや釜山からKTXで行く方が多いようですね。

さて、大邱で1日あったので、観光することにしました。観光地を検索していると、こちらの機体を使ったカフェがあることがわかりました。

残念ながらクオリティの悪いショットしか持っていないのですが、この機体も1973年に製造された機体で、イースタン航空のN318EAとしてデリバリーされた後、1989年2月にキャセイパシフィック航空にVR-HOIとして移籍しています。
この機体も1995年7月に退役し、ドイツのレーメンヴェルダーで1996年秋に解体された、という履歴が出てきます。ここでたいていは終了となるはずなのですが、2008年に海外サイトに韓国人のスポッターによって、内装・外装の写真がアップされます。

2015年頃まで経営者を変えて営業していたようですが、今年夏くらいから閉店になり、行ったときは改装工事をしている雰囲気がありました。1996年に解体された機体が、2008年に報告されるまで12年間どこをさまよっていたのか、という点は謎ですが、現状エンジンは外されて、機体のみが現存している状態です。韓国でこうした用途で運ばれた機体としては、かなり状態が良い、とのことでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*