前回の記事の続きです。
大型ジェット機・・・標準座席数200席以上で通路が2本
中型ジェット機・・・標準座席数120席以上で通路が1本
小型ジェット機・・・標準座席数が120席未満で通路が1本
プロペラ機・・・・・プロペラで推力を得る航空機
今回は「大型ジェット機」の「2回目」です。
エアバスA340-300
就航:1993年
標準座席数:295席
エアバスの最初の旅客機として登場したA300の胴体を延長し、B737で実績の高いCFM-56を4機搭載することで、低騒音化と航続距離を延長したワイドボディ旅客機として1993年に就航。離陸時のエンジン騒音が従来機と比較するとかなり低く抑えられるなどしており、欧州の航空会社を中心に導入が多い傾向にありました。
しかし、双発機の性能が良くなると、燃費効率の劣る4発機は敬遠されるようになり、A340と同時に開発が進んだA330に置き換えされるなど、最近は活躍する機体の数は減少の一途をたどっています。ヨーロッパ系航空会社のフライトが成田へ乗り入れ機材として使用していますが、こちらもB777やA350等への置き換えが進んで行くと思われます。
エアバスA340-600
就航:2002年
標準座席数:380席
エアバスA340の第2世代型として2002年に就航した機体。A340は、ボーイング737などで使用されたCFM56エンジンを4機搭載し、静粛性と低燃費を売りに運用開始していますが、-300をベースに、胴体を延長したり、出力の大きいエンジンを搭載するなどして開発されたのが、-500/600シリーズです。-500はすでに旅客機としての使命を終えていまして、現時点で残るのは、こちらの-600だけです。
生産機数は全部で97機にしかならず、すでに退役した機体も多数存在するのですが、一方でルフトハンザドイツ航空のミュンヘン発着便を中心に使用されていますが、セントレア発着便で時折その姿を見ることがあります。
エアバスA330-300
就航:1994年
標準座席数:295席
A340-300と同じく、A300の胴体を延長し、最新のコックピット/エンジンを装備させた双発旅客機として登場。A340ではCFM-56を4基装備させていますが、A330では、主要エンジンメーカーの高出力エンジンを2基装備に変えており、基本設計としては「A330は双発、A340は4発」の違いで、機体設計そのものはほぼ同じです。
A340とほぼ同時に開発が進み、1年後に路線就航にこぎつけています。A330としては現在も製造が続いており、エアバスワイドボディ機初の1000機を超える生産になっています。
日本の航空会社では、スカイマーク航空が一時的に導入しましたが、現在は運航している航空会社はありません。大韓航空やチャイナエアライン、キャセイパシフィック航空など、近隣諸国から欧米の航空会社まで、導入している機体数が多いので、主要空港に行くとその姿は必ず見かけると言っていいかもしれません。
エアバスA330-200
就航:1997年
標準座席数:253席
A330-300の胴体を短縮し、垂直安定板と方向舵の高さを調整、燃料タンクの搭載量を増やすことで、超長距離をノンストップで飛べるようにしたA330の短胴型。航続距離はA330-300よりも3000km程度延長されており、長距離路線への就航が可能になっているタイプです。
日本の航空会社では導入がありませんが、大韓航空や中国国際航空、中国東方航空などが導入しており、その姿を主要空港で見ることが多いです。
ボーイング787-8
就航:2011年
標準座席数:210-250席
ボーイングがB767やA330と言った200席クラスの機体の置き換えを考慮して新開発した旅客機。新型エンジンの採用や、炭素繊維を機体の主要部分に使用することで、燃費効率を大幅に改善したことが特徴で、翼の構造も従来の機体とは大幅に異なるスタイルになっています。当初2008年就航予定でしたが、度重なるトラブルで、実機の就航は2011年まで持ち越されています。就航後もトラブルが多く発生し、最終的に運航が安定するまで数年かかっています。
現在は400機以上が航空会社に引き渡され、ANA、JALだけでなく、世界中の航空会社に採用され、その姿を世界各地で見ることができます。
ボーイング787-9
就航:2014年
標準座席数:250-290席
B787-8の胴体延長型で、787-8が就航した3年後の2014年から路線就航しています。航続距離や離陸滑走距離は-8をしのいでおり、現在世界中の航空会社の長距離国際線を中心に、路線に就航しています。
日本でもANA、JALが導入、ANAの2機を除いて、すべて国際線で運用されていることが特徴です。
ボーイング767-300/300ER
就航:1987年
標準座席数:218
ボーイングが1982年に就航させたボーイング767-200の胴体延長型。B767としてのセールスは、大半がこの-300型で、-300ERが世界中の航空会社の主力機として導入されています。開発コンセプトは「セミワイドボディ」で、この機体のエコノミークラスの標準配置は、横2-3-2の7アブレスト、小型機よりも1列分多いだけで、通路が2本、しかも1席を除いて「真ん中席」が存在しない、という点も、航空会社に評価されていました。
B787の納入遅れによる補償として製造された機体も存在し、2014年時点で1069機が製造されています。日本の航空会社も、ANA、JALが導入した他、スカイマークも創業当初はこの機体でフライトを運航していました。現在も日本中、世界中の空港でその姿を見ることができる航空機です。