「これはそれなりによく見るだろう」という飛行機を何回かに分けてこちらでご紹介してみるシリーズの3回目です。分類は以下の通りです。
大型ジェット機・・・標準座席数200席以上で通路が2本
中型ジェット機・・・標準座席数120席以上で通路が1本
小型ジェット機・・・標準座席数が120席未満で通路が1本
プロペラ機・・・・・プロペラで推力を得る航空機
今回は「中型ジェット機」の「1回目」です。
ボーイング737-400
写真は日本トランスオーシャン航空所属機
就航:1988年
最大座席数:188席
ボーイング737は、現在の最新型のMAXまで4世代のバージョンが存在しており、そのうち日本の空で見ることができるのは、第2世代と第3世代の機体になります。第2世代は、ボーイング737-300、400、500が該当します。-400が最も長胴型で、主翼部分の非常口が2箇所、ウイングレットは基本的についていないことと、太めのエンジンが装備されているところが特徴です。第1世代の機体で特徴的でもあった「葉巻エンジン」と呼ばれたエンジンから、低騒音と低燃費を売りにした新型エンジンへと変えられています。ただ、元々B737は翼から地面の高さが低く、大型エンジンをそのまま装備できないため、エンジンカウルが正面から見ると三角形になっていることも特徴の一つです。
製造は2000年まで継続しています。日本の航空会社が導入したのは、この機体の製造が晩年に差し掛かった頃で、現在は世界的に見るとすでに退役がかなり進んでおり、外資系航空会社の乗り入れも昨今はほとんどなく日本の空からはすでに退役しています。
JTAは、よほど機体サイズがちょうどよかったのか、生産打ち切り後にドイツのハパクロイト航空と、ベルギーのサベナベルギー航空の中古機を追加導入していますが、いずれの機体もすでに退役し、売却されています。
ボーイング737-500
写真はANA Wings所属機
就航:1989年
最大座席数:145席
こちらも第2世代の機体で、-400と比較すると短胴型になり、主翼部分の非常口が1か所、ウイングレットはなく(海外の機体では装着した機体も存在します)、バイパス比の高い、太いエンジンが特徴的な機体です。737の第2世代の中では最も短胴型のため、寸詰まり感の強い機体です。
こちらは1989年から製造がはじまり、最終製造機は当時のエアーニッポンに1999年に納入されており、現在もANA Wingsで活躍を続けています。当時のエアーニッポンでは最終製造機を受領後に、さらにこの機体が必要になったのか、JTAと同様、中古機材による追加導入が行われました。日本の航空会社としてはエアーニッポンのみが導入しましたが、現在は全機ANA Wingsに移籍しています。
この機体も後継機としてMRJに置き換えられる予定でしたが、納入遅延により、現在も活躍を続けており、今しばらく活躍する姿を見ることができそうです。
ボーイング737-700
写真はエアドゥ所属機
就航:1997年
標準座席数:2クラス126席
第2世代のコックピットを近代化し、翼端にオプションながらウィングレットを装着できるようにしたタイプが第3世代で、全部で4タイプが存在します。-700としては1997年初飛行、2015年までに1200機ほどが生産されています。主翼付近の非常口は1か所で、第3世代ではこの外見は-600とこのタイプのいずれかになりますが、-600はほとんど製造されていないため、現在日本国内で見かける、外資系航空会社のB737で、非常口1か所であれば、このタイプである可能性が高いです。また、ウイングレット付きの機体も多く存在するので、ウイングレットつき、非常口1か所のB737であれば、ほぼこのタイプと言っても良いかもしれません。
一方で、ボーイングはこのサイズをビジネスジェットとして売り込むことにも成功しており、ボーイング737-700BBJとして、120機が製造されています。
日本の航空会社では、ANAとエアドゥが導入しており、ANAでは主に国際線の機材として、エアドゥでは羽田と道内各地や、新千歳と地方空港を結ぶ路線を中心に運用されています。また、外資系航空会社としては、一時期韓国のイースタージェットや中国国際航空などが運用していましたが、最近はこれらの航空会社の日本路線は-800に変更されており、見かけることは少なくなりました。
ボーイング737-800
写真はエアニューギニー(パプアニューギニア)所属機
就航:1998年
標準座席数:2クラス162席
第3世代の737の中ではベストセラーの1機種です。第2世代の-400に相当する機体で、-700よりも胴体が長く、主翼付近の非常口が2箇所あり、バランスの取れたスタイルをしています。基本的にB737と言えば、現在はこのタイプが主力になってきており、これまでに4000機以上が製造され、1000機以上のバックオーダーをかかえています。したがって、現時点で日本国内で見かけるB737については、かなりの確率でこの機体である可能性が高いです。
ビジネスジェットタイプも製造されていますが、わずかに20機程度の製造にとどまっており、-700BBJと比較すると、BBJ仕様の機体は逆にほとんど製造されていません。
JALは国内線と国際線の双方で、ANAとスカイマークは国内線で、それぞれ主力機の1つとして、-800を使用しています。また、近隣諸国の外資系航空会社の乗り入れも多く、非常によく見かける機種の1つです。
ボーイング737-900/900ER
写真はタイライオン航空(タイ)所属機
就航:2001年
標準座席数:2クラス180
第3世代の737の中では最も胴体の長い機体で、非常口は2箇所ありますが、-800と比較した場合、胴体の間延び感を感じます。B737の第3世代機としては製造数が少なく、-900はわずかに52機、-900ERは515機で、-900は-800と全く同じ非常口の構成のため、モノクラスでは座席数に制限があります。
-900ERはB757の製造打ち切りによって追加された機種で、非常口を機体後部に1か所増設して、片面あたり5カ所、計10か所にすることで、モノクラス運航時の最大座席数を引き上げています。
日本の航空会社での導入はありませんが、大韓航空が-900と-900ERを導入しており、日本路線にもよく投入してきますので、日本の空港では比較的良く見る機種の1つかもしれません。
ボーイング757-200
写真はUSエアウェイズ(現在はアメリカン航空に吸収合併)所属機
就航:1983年
標準座席数:200席
1983年に就航したナローボディ旅客機。日本の航空会社では導入がなかったものの、世界的には1000機以上が製造されたベストセラー機です。ボーイング767とコックピットの共通化が図られており、アメリカン航空、デルタ航空など、アメリカ系の航空会社などを中心に、双方を導入する航空会社が多数存在しています。
一時期は、中国系の航空会社などを中心に、日本への乗り入れ機材としてよく見られた機種でしたが、ここ数年でボーイング737(第3世代)やA321などに置き換えが進み、現在の定期便乗り入れは、米軍の横田基地に飛来するATIくらいになってしまいました。細長い胴体が特徴的な機種で、昨今は翼端にウイングレットを取り付け工事を行った機体も多数存在しています。