私のようなをやぢ世代にとって、ボーイング747は撮影面では「ありふれた飛行機」ではありましたが、やはり若いころに頻繁に飛行機に乗ることができた訳でもなく、現在と比較すると航空券も高かったため、乗る方ではなかなか「ありふれた飛行機」ではありませんでした。
しかも名古屋空港は、当時「ジャンボ不毛の地」でもありました。名古屋発着の国内線は、B767が中心で、B747やDC-10、L-1011はまず投入されません。小学校低学年の時に北海道旅行に行った際に、私たちの乗った名古屋行きの全日空、B727の脇を、さっそうと羽田に向かうB747が飛んでいくのを、指をくわえて眺めておくしかなかったのです。そんな訳で、私自身ジャンボに乗る機会は幼少期は全くないまま過ぎてしまいました。
ところが、そのうち名古屋発着の国際線を使うようになり、初めてヨーロッパに行かせてもらえることになりました。ヨーロッパ行き、と言えば、当時は名古屋発のツアーは少なく、予算に収まらないものばかりだったのですが、ルフトハンザで行くヨーロッパ8日間、と言うツアーに参加することになり、初のジャンボに乗ることになったのです。
当然このジャンボ、B747クラシックではなく、-400です。当時のLH737便は、名古屋~香港~フランクフルトと言う経路で飛んでおり、香港・啓徳空港に往復寄れるという、一種「おいしい」フライトでした。夕方名古屋を出発して、夜香港着、深夜香港出発、早朝フランクフルト着と言うスケジュールで、初めて機内で時差調整のため寝る、と言う体験をしたのも、この初のジャンボのフライトでした。
当時乗ったことがあった国際線は、コンチネンタル、キャセイ、JALくらいで、ヨーロッパの航空会社の洗練された機内サービスと、ドイツ人のクルーのきびきびした動きが印象に残るフライトでした。機内で飲んだビールのおいしさや、思っていた以上にきっちりした機内食を含め、初めて乗ったジャンボは、今から30年近い昔にも関わらず、今もはっきり覚えています。
結局、自分が実際によく飛行機に乗るようになった頃になると、空の主役はB777に変わっており、搭乗回数としてはB777の1/3程しか乗っていませんが、正直B777に初めて乗ったフライトよりも、B747に初めて乗ったフライトの方が鮮明に覚えています。
ちなみに私の初フライトで搭乗したルフトハンザのB747-400、D-ABVHは2015年に退役、解体されています。写真の機体は2002年に製造されたD-ABTLで、現在もルフトハンザの長距離国際線で運航されています。