キャセイパシフィック航空は、機種の移行をゆるやかに進める傾向があるようです。B747の場合、クラシックの最終号機、VR-HON(その後のB-HON)がデリバリーされたのが1988年7月。そしてB747-400の初号機、VR-HOOがデリバリーされるのが1988年9月です。わずか2カ月の間隔と言うケースもかなり珍しいと思うのですが、この後2機目のB747-400として、VR-HOPがデリバリーされるのが1989年6月ですので、約1年は1機だけ保有していたことが推測されます。
さて、この2号機としてデリバリーされたVR-HOP、私自身は一度も乗る機会はなかったのですが、私にとって初めて撮影したキャセイのB747-400でした。最近、フィルムスキャナの設定をいろいろいじって遊んでいると、昔のネガが意外にきれいにスキャンできることに気が付き、先日もポジ時代から写真を撮っている方にお見せしたところ、「ポジと全然変わりませんね」なんてお褒めの言葉を頂いてしまいました。
Cathay Pacific Airways Boeing747-467 VR-HOP at NRT/RJAA (20 March 1991)
当時、私は名古屋ベースで、初めての成田遠征でした。キャセイのジャンボは名古屋にも臨時便や機材変更でやってくることはありましたが、たいてい-200B、しかもレジは決まってVR-HKGで、B747-400は「成田に行かないと見られない機体」でもありました。
当時、成田便は、台北経由でやってくるCX450で飛来し、香港直行で折り返すCX505で飛んでいくスケジュールで、CX450として飛来したこの機体の写真を撮影していました。
後年まで、キャセイのB747-400は旧塗装で残っているのですが、エンジンカウルの緑色の帯は消され、現行塗装と同じカウルの色に統合されてしまっていまして、私自身のコレクションに、旧塗装のB747-400はたくさん残っていますが、エンジンカウルに帯が残っている塗装では、あまりコレクションは多くありません。
さて、このVR-HOPは、香港の中国返還でB-HOPとなり、キャセイパシフィック航空1社に奉公しつづけました。2014年8月に香港に行った時にも遭遇しましたが、撮影面では比較的よく遭遇したキャセイのジャンボでした。
Cathay Pacific Airways Boeing747-467 B-HOP at HKG/VHHH (23 August 2014)
塗装だけ見ると全く同じ機体とは思えませんが(^_^;)、同じ機体の23年5カ月後の写真と言うことになります。
残念ながら、VR-HOP改めB-HOPは、キャセイパシフィック航空で25年の奉公を終え、2014年8月末で退役。イギリスのブランティングホープへとフェリーされ、解体されています。
活躍初期から知っている機体が、同じエアラインにずっと奉公し、そして退役、解体されていく様子を知ることは、一抹の寂しさも覚えると共に、自分も年を取ったことを実感しますね。