JALにはかつて100機を超えるボーイング747が在籍していましたが、その中には結構な変わり種も存在していました。その中で、3機のジャンボが米国籍で飛んでいたことを覚えている方もおられるかもしれません。
ボーイング747-200FのうちN211JLと、ボーイング747-300のうちN212JLとN213JLは、日本航空のカスタマーコード46ながら米国籍で、機体はJALが米国の信託会社、ウィルミントン・トラスト社からの15年間の長期リースという形になっていたようです。今回はN212JL、後のJA812Jを中心にトピックを構成させて頂こうと思います。
N212JLは、1983年11月にJALにデリバリー。デリバリー時点では赤紺のチートラインに鶴丸という塗装で、初期の頃は長距離路線への投入が主体でしたが、米国籍機材故に、国内線区間を飛ぶことができなかった、という話もありました。真相をご存知の方はぜひご教示頂ければと思います。
1992年の夏には先代の鶴丸塗装へ塗装が変わり、747-400に長距離路線の運用のバトンを渡した後は、中距離路線で活躍をすることになります。
1998年に15年に渡るリース期限が切れ、このタイミングで信託会社への返却か買い取りか、という選択を迫られることになりますが、JALはそのまま継続使用の道を選び、機体を買い取っています。尤も、その時にはすでに数字4桁の登録番号は空いていなかったため、ジャンボが主に使っていたJA81XXの上2桁と、下はN212JLの2Jを取り、JA812Jとして登録されることになります。他の米国籍登録だったジャンボも、N211JLがJA811J、N213JLがJA813Jとして登録されています。日本の空を飛んだ747クラシックで、新システムで登録されたのは、JALに居た米国籍の3機だけだったと思います。
2003年のJAL/JAS合併を機に、アーク塗装が発表されますが、JA812Jもメンテナンスのタイミングで塗り替えになります。晩年は活躍の場をホノルルやアジア域内路線に移していました。また、日本国籍になったこともあり、晩年はよく国内線の代打としても飛んでいました。
JALのB747クラシックの最後まで残る2機として、2009年7月末まで活躍、2009年秋にオリエントタイ航空へと売却され、2015年まで現役で飛んでいたようです。