かつて日本の空で活躍していたJALの国内線用のB747は、導入時期によって結構細分化することができまして、
(1)初期導入のB747SR-46
(2)後期導入のB747-146B/SR
(3)アッパーデッキ延長型ながらエンジンがJT9D-7Aで-146B/SR/SUD
(4)7Rエンジン搭載の-346SR
(5)-446D
と、大まかに5種類が存在します。極初期導入のSRについては、墜落事故を起こした後、1990年代初頭までに全機を退役させておりまして、私が本格的に撮影を始めた頃以降では、(2)~(5)の機体が中心になっていました。
そのうち、-146B/SRとして最後にデリバリーされた機体が、本日ご紹介するJA8164です。1984年12月4日に日本航空にデリバリー。その後、国内線用のジャンボとして国内幹線で21年にわたって活躍します。私のコレクションを確認すると、関空以外では羽田と新千歳で撮影していましたが、手持ちとしてはこの塗装のみで、赤紺鶴丸をまとった時期が数年あったはずですが、やはり名古屋ベースの小僧が撮影するにはハードルが高かったようです。
さて、2005年12月にJALから退役し、ニジェールのロジスティックエアという航空会社へと売却されます。羽田にオールホワイト、同社のロゴという塗装でストアされている写真が出回っていましたが、その後デリバリーになっています。
さて、その後の動きは、かなり怪しいものになっています。当初どこを飛んでいるか定かではなかったのですが、2006年から2007年にかけてボリビアのアエロスールへリース、そして2008年頃からはクアラルンプールに結構頻繁に顔を出し、サウジなどとの間で運用があったようです。窓の残り方からすると、もしかするとハッジチャーターなどで使用されていたのかもしれません。
最終的にマレーシアのジョホールバル空港に放置されたまま何年も経過し、2017年、現地で解体されています。747SRについては、日本の空を去った後は行方がよく分からなくなる機体が多い中、怪しいとは言えアジアに最後まで縁があった機体ということができそうです。