ランドーアソシエイツの塗装

ランドーアソシエイツの塗装

アメリカのランドーアソシエイツ社は、航空機のデザインを多数手がけており、特に1970年代から90年代の物に秀逸なものが多いように感じます。
今回はそのランドーアソシエイツの手掛けた塗装のうち、私が特に秀逸だと思ったものをご紹介してみたいと思います。

(1)ハワイアン航空(1970年代)

Hawaiian Airlines McDonnell Douglas DC-8-62 N8969U at NKM/RJNA

現代のハワイアンの塗装もかなりハワイを意識していると思うのですが、私の中ではこの塗装が一番だったと思います。尾翼の女性の顔のデザインが今よりも抽象的になっているのが特徴です。初見は1990年の名古屋、DC-8やDC-9など、細身のダグラス機に似合う塗装だったと思います。

(2)タイ国際航空(1980年代)

Thai Airways International McDonnell Douglas MD-11 HS-TMD at DMK/VTBD

現在の塗装もランドーアソシエイツによるものですが、個人的にはこちらの塗装がタイ航空らしい、と思います。ランの花をモチーフにしたロゴマークと、紫とピンクという南国を意識した塗装はなかなかよく考えられています。初見は1987年、バンコクにて。こちらはA300が一番似合っていると思います。

(3)イベリアスペイン航空(1970年代)

Iberia Líneas Aéreas de España Boeing747-256B EC-DIB at NRT/RJAA

スペインの国旗の色を使った塗装は現在の物も同じですが、やはりこちらの方がデザイン的には優れていると思います。初見は1991年の成田でした。B747が一番似合っているでしょうか。

(4)ガルーダインドネシア航空(1980年代)

Garuda Indonesia McDonnell Douglas DC-10-30 PK-GIA at NKM/RJNA

私の搭乗機の隣に、この塗装のA300が止まっていたのを見たのが初見(1987年)でした。尾翼のガルーダが、ヒンズー教の神様よりも、鷲のデザインになっているのが特徴でしょうか。この塗装はDC-10に塗ると一番しっくり来る気がします。現在のガルーダの塗装もランドーによるものですが、正直この塗装の方が私の好みです。

(5)キャセイパシフィック航空(1990年代)

Cathay Pacific Airways Airbus A340-313X B-HXK at HKG/VHHH

「きゅうりのサンドイッチ」と呼ばれた塗装から、いきなりこのデザインが発表になった時は驚きました。墨で描いた鳥の羽根をモチーフにしたブラッシュウィングが特徴でしょう。初見は1994年、今は退役してしまったA340-200でした。この塗装はA330やA340と言った、第2世代のエアバス機に似合っている気がします。

(6)ロイヤルヨルダン航空(1980年代)

Royal Jordanian Airlines Airbus A320-212 F-OGYB at FRA/EDDF from HSJ collection

初めてこの塗装の写真を見た時に、かなり衝撃を受けたことを思い出します。チャコールグレーに塗られた機体に金色の王冠を描いたこの塗装、「Royal」の名前がつくエアラインの中で一番品位を感じる塗装だと思いました。初見はロイヤルヨルダンがガルーダにウェットリースしたL-1011のハイブリッド塗装として、だったのも今となっては良い思い出です。
現在もこの塗装、マイナーチェンジして残っていますが、飛行機を黒っぽい塗装にする、という先駆者的な意味で、この塗装は本当に秀逸な物だったと思います。似合うのは迷わずL-1011トライスターですね。

(7)ブリティッシュエアウェイズ(1980年代)

British Airways Boeing747-436 G-BNLO at NKM/RJNA

以前もご紹介したこちらです。BAの塗装と言えばやはり今でもこの塗装が一番だと思っています。似合うのはやはり747ですが、意外にナローボディのB737とかでも似合うので、ある意味万能なのかもしれません。初見は1987年の香港でした。

(8)ヴァリグブラジル航空(1990年代)

Varig Brasil McDonnell Douglas MD-11 PP-VQG at NRT/RJNA

個人的にはこの1つ前の塗装が一番好きなのですが、ランドーの物ではないそうなので。前の塗装のロゴマークを踏襲しつつ全く別の塗装にしたこの塗装もよくできていると思います。初見は1997年の名古屋、MD-11が一番似合っていると思います。

(9)S7航空(2000年代)

S7 Airlines Tupolev Tu-154M RA-85829 at DME/UUDD

ここからは21世紀に入ってからの物になります。ロイヤルヨルダンと同じ系列になるかと思いますが、今まで塗ったことがないような色に塗ってしまう、というところで斬新でした。シベリアの雪の中での視認性向上なども含まれていると思います。A320に最初に塗装されたので、やはりイメージはA320ですが、「バッタ」と揶揄されたTu-154のこの塗装も個人的には好きでした。初見は2008年のモスクワでした。

(10)オーロラ航空(2000年代)

Aurora Airlines Airbus A319-111 VP-BWA at NRT/RJAA

21世紀のランドーアソシエイツは、正直微妙なものも結構あるのですが、この塗装はかなり良い感じに仕上がっています。こちらも冬季の雪の視認性を考えているのか、紺色になっています。この塗装、ウラジオストク航空が保有していたTu-204にも塗装してほしかったです。

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