現在はカナダのナショナルフラッグキャリアと言うとエアカナダですが、1990年代まで、カナダから西へ向かう国際線はカナダ太平洋航空(後にウェスタンパシフィック航空に吸収合併されてカナディアン航空)、東へ向かうフライトはエアカナダと棲み分けされていました。日本路線はカナダ太平洋航空→カナディアン航空が担当し、当初はDC-8、その後ボーイング747とDC-10が使用されていました。
ところが、私がこの趣味を始める前の1986年、いきなりパキスタン国際航空との間で機材のスワップをする協定を結びます。カナダ太平洋航空の保有していたボーイング747、4機はパキスタン国際航空へ、パキスタン国際航空の保有していたDC-10-30、4機はカナダ太平洋航空へと移籍します。
その後、カナディアン航空となったカナダ太平洋航空は、再びボーイング747を導入することになり、1990年に初号機、C-GMWWを受領します。それが本日のトピックの機体です。
全部で4機が発注されたカナディアン航空の747-400ですが、1号機はカナディアン航空の構成会社の1社であったワードエア・カナダの創業者、Maxwell William Wardの名前がつき、登録もC-GMWWと、ワードに敬意を表した形でのデリバリーになりました。
ワードエア・カナダは、日本ではあまり馴染みはありませんが、大西洋線をボーイング747やDC-10と言った大型機で運航しており、バケーションチャーターなども運航していましたが、1989年にカナディアン航空へと吸収されています。
この機体、1991年初頭にバンクーバー~成田線にも投入されるようになり、私自身の初の成田遠征で撮影した思い出の747の1機でもあります。
その後、2001年にカナディアン航空はエアカナダと合併し、この機体もエアカナダへと移籍していきました。そして2005年にエアカナダから体液、2012年までアルゼンチン航空で活躍した後、2013年に米国で解体されています。