飛行機写真を始める~その4 撮った写真を補正する

何回かに分けて、飛行機の写真の撮り方の基本になりそうな話を書いてみようと思います。その4回目、「撮った写真を補正する」です。

時間がある時は、できるだけいろいろな方の撮影した写真を拝見させて頂くことがあるのですが、正直「ああ、こうしたらこの写真、もっと良くなるのになぁ」と思うことが良くあります。
私自身、失敗作もそれなりに加工すれば使えることを知っていることもあり、こちらに掲載している写真は、様々な画像処理を加えた上でご紹介するケースも少なからず存在しています。

もちろん、元の画像のクオリティが物を言いますので、例えばフルサイズセンサー搭載のデジタル一眼レフに、大口径のレンズをつけて撮影した写真と、携帯電話のカメラ機能で撮影した写真では、解像度を含め、全く違う写真になってきます。ただ、携帯電話やコンパクトカメラで撮影した写真でも、ちょっとした加工で、「おお!」と言ってもらえる写真に加工できてしまう、と言うことがあります。

私のHDDの中にもいろいろな失敗作が埋もれておりまして、例えばこんな1枚。関空の離陸ショットで、正直何もかもが「スペックアウト」の失敗作ですが、少なくともトリミングして少しは見た目をまともにすることができるので、それだけでもやってみます。

スポッターショット(形式写真)であれば、基本的に機体のフレーム位置は「真ん中」が鉄則ですが、この写真は情景としてとらえるにしても、機体の位置が下すぎます。空の面積が大きすぎるので、機体だけ切り取ってみます。
一般に現在のデジタルカメラは2000万画素を超えています。5400×3600画素(ピクセル)くらいはあります。ブログの画面に表示されるサイズは横幅600ピクセルくらいですし、SNSだと携帯の画面なのでかなり小さく表示されます。拡大してもらうにしても、横幅1024ピクセルもあったら十分、と言うことになります。海外サイトに出すなら1200ピクセルくらいでしょうか。
したがってこの写真の機体だけ切り取る、と言うことをしても、ブログやSNSで使うなら十分な大きさの画像が取れてきます。

切り取る部分は点線で囲っている部分にします。もちろんこのあたりは必要に応じて変えてもらっていいと思いますが、今回はこの部分だけ切り取ります。
この時の撮影機材がEOS 7Dで、1800万画素ありましたので、ここだけ切り出ししても600万画素相当の画像が取り出せます。ブログを含め、ネット上で必要な画素数は100万画素以下で十分です。

切り取ってみた結果です。デジカメの「撮って出し」の1枚目の写真とはすでに別の写真のようになっています。トリミングはダメだ、と言う方もいらっしゃるのは承知の上ですが、デジタルの場合はこういうことができる点も大きなメリットと言えますので、一概にダメとは言えない部分でもあると私は考えています。

さらにこれを画像ソフトでちょこちょこいじってみると、こんな写真になります。

最初の写真と比べたら、かなり改善されているのではないかと思いますが、如何でしょうか?

トリミング操作自体は、PCに標準で入っている画像処理ソフトも使えますし、カメラを買った時についてきたソフトで出来る場合もあります。お金に余裕があれば、PhotoshopやLightroom、Silkypicsと言ったソフトを購入してみるのも良いと思います。

ただし、トリミングは画像の粒状感も引き上げますので、カメラのセンサーサイズによっては、見た目がざらざらになってしまう可能性も高くなります。そのあたりも含めて、いろいろとやってみることをお勧めします。

そしてもう一つ。結構よく見かけるのが水平の傾いた写真です。あまりに傾き過ぎていると、補正してもどうしようもない、と言うことになるのですが、ある程度の傾きであれば、ソフトで補正すれば何とかなりますし、補正しておくべきところだと思います。
これもフィルム時代には「あり得ない」ことですので、批判があることはもちろん承知の上ですが、せっかくちょっとした加工で見た目が良くなるなら、するに越したことはないのかな、とも思ったりします。
例としてはこんな写真でどうでしょうか。

明らかに水平が傾いています。ソフトで補正しながら見ると、1.5°くらいでしょうか。お前そんな傾いてるのか、と言う突っ込みはなしでお願いします(^_^;)
これをソフトを使って回転させてみます。

水平は手前の陸地をベースにしていますが、奥の海岸線でも良いと思います。基本的にスカイショットの場合は、水平云々はあまり関係ないので、地上が写り込んでいるショットだけ、と言うことになるでしょうか。

回転機能のあるソフトで、水平補正をすると、「自動切り取り」の有無が選択できるかと思います。このショットの場合は、自動切り取りをしています。
たまたまこのショットは、これで終わってしまいましたが、通常は前回の「トリミング」も入れて、画像を成型していきます。

そして画質の補正をかけた結果がこちらです。

これくらい補正しておくと、少なくともぱっと見は結構きれいに見えるんじゃないでしょうかね。
画質補正は露出やコントラストなどを調節しておくことですが、こちらは好みもありますので、各自で自分の好みを探してみてください。ただし、海外サイトはこの調節も結構シビアにチェックされますので、こちらはその基準に合わせてみて下さい。

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