私自身は飛行機の写真を撮るようになって30年近いので、もちろんフィルム時代からずっとカメラを使っていますし、今も当時の写真はそのまま持っています。大半の写真はポジフィルムで撮影したものなので、その写真をデジタル化する方法としていくつか試してきております。今日はそのトピックについて、記事を構成してみたいと思います。
(1)フィルムスキャナを使う
かつてはこれが一番手軽な方法でした。ニコンやコニカミノルタ(当時)、エプソンなどから、フィルムを直接スキャンして、データ化できる「フィルムスキャナ」というものが販売されていました。最近はデジカメを内蔵したタイプのものに切り替わってしまい、CCDなどできちんとスキャンするタイプのものは、台湾のメーカーがやっているだけになってしまっています。
私はこの台湾メーカーのものを購入して使用しています。日本では株式会社NEXXさんが代理店として輸入販売されているようです。
http://www.nexx.co.jp/products/nfs.html
難点を言うと、とにかく時間がかかること。1枚数分が平均です。あと、たまに上手くスキャンできないフィルムがあります。コダクロームの一部や、撮影条件によっては、どうにもダメということがありました。
ただ、大半の写真はこれでうまくスキャンできていますので、現状の最善策とも言えそうです。
(2)簡易型スキャナを使う
上記で書いた「デジカメが内蔵されているタイプ」がこちらに該当します。デジカメというか昔の安価なコンデジというか、正直クオリティはイマイチなのですが、手軽さにかけてはダントツ1位かもしれません。ポジもネガも専用ソフトをインストールするだけで次々デジタル化できるのですが、出てきた画像はお世辞にも使えるものではなく、まさに「安物買いの銭失い」になってしまいました。
上記のフィルムスキャナのクオリティを100としたら、こちらは1以下。1台1万円しないフィルムスキャナは全部これだと思って頂いて間違いないと思います。
(3)デジタルデュープする
マクロレンズと、ニコンのスライドコピーツールを使ってやる方法です。マクロレンズは等倍撮影できるものが必要です。ネットを検索してみると、エクステンションチューブを挟んで普通の50mmレンズで上手くできた方もおられるようですので、そんな方法でも良いかもしれません。
私はタムロンの90mm F2.8 (Model 172E)に、NinoLiteのレンズフード(望遠レンズ用)、マルミ光機のステップダウンリング(58→52mm)、ニコンのスライドコピーアダプターES-1です。タムロンの90mm F2.8は、172E、272Eなどが中古市場に潤沢に出回っているので、状態の良いものを1万円台で購入可能だと思います。レンズフードとステップダウンリングは1000円以下、ニコンのES-1は3500円程度で売られています。
タムロンの90mm F2.8は、ワーキングディスタンスが10cmほどで、ニコンのES-1は完全に伸ばせば8cmありますので、あと2cmほどの長さを補填してやれば、等倍撮影に使用できることになります。APS-Cではクロップされてしまうので、あくまでフルサイズ向けです。
私自身の投資としては1万5千円ほどになりました。
実際にやってみたのがこちらです。ただ、問題がない訳ではなく・・・
1つはゴミ取り機能がついていないので、フィルム表面のごみは徹底的に取っておかないと、後で大変なことになります。あと、少しアンダー気味になることが多いようで、こちらは露出補正をしながら進めていかないといけないようです。
それから、ネガフィルムでやってみると、ものすごく大変です。色補正が上手くできず、最終的な回答を出すまでに私は至りませんでした。
スキャナで数分かけて1枚をスキャンするのが良いか、デジタルデュープで後でじっくりそのあたりを補正するのが良いか、難しいところです。
ただ、ピントをマニュアルで追い込めますので、スキャナが苦手なフィルム(コダクロームなど)や、スキャナが上手くスキャンしてくれなかったものは、この方法で上手くできます。
ということで、フィルムのデジタル化を考えている方の参考になれば幸いです。