EOS Rには従来よりも進化していることがいくつかあります。そのうちの2点、おそらく飛行機を撮影する上で最も使用するであろう機能についての調査結果を書いてみたいと思います。
1つは「クロップ機能」でしょうか。ニコンはフルサイズの一眼レフにも実装されているのですが、キヤノンには装備されていなかった機能です。レンズの焦点距離の1.6倍を撮影できるのですが、同時に同じセンサーの一部を使用するため、本来フルサイズであれば3030万画素あるものが、1160万画素に落ちることになります。ただ、1160万画素と言っても、一昔前のデジタル一眼レフがこの程度の画素数でしたので、理論的には十分使用できることになります。
クロップをしたものとしないもので、このブログに使用するのに、どれくらいの差が出るものでしょうか。この2枚の写真、同じ日のほぼ同時間帯に撮影したものですが、見分けはつきますでしょうか?
上がクロップ、下がフルサイズでの撮影です。正直、このサイズで比較するとあまり分かりません。
さらにこちら。別の日で同じ時間帯での撮影です。見分けはつきますでしょうか?
これは上がフルサイズ、下がクロップです。
クロップが実装されることで、レンズを持って行く本数を減らすこともできますので、用途によってはかなり使い勝手はよくなりそうです。例えばRF 24-240mm F4-6.3 IS USMを1本持っておけば、広角24mmから、望遠384mmまで1本のレンズで足りてしまいます。望遠の240mmから384mmの間だけクロップ撮影になりますので、ちょっとだけ飛行機撮影する時間が取れそう、と言う時の機材としては十分、と言うことになります。
キヤノンのAPS-Cのミラーレスにも、EF-M 18-150mm F3.5-6.3 IS USMなんて便利なズームレンズが1本ありますが、こちらはクロップできませんので、最大で240mmまで。そうやって考えると、1台+1本で結構こなせるEOS Rのシステムは秀逸です。
もう一つが、F11でのオートフォーカスです。従来、EOS 5D MarkIVを筆頭に、最近のキヤノンのカメラは、F8でオートフォーカスが効くことを売りにしてきていました。例えばEF 100-400mm F4.5-5.6L IS II USMに1.4xのエクステンダーを装着すれば、140-560mm F6.3-8として使える計算になります。もちろんこれで随分重宝はしてきたのですが、EOS RからはF11でもオートフォーカスが動作する、と言うことがアナウンスされました。今回は同じEF 100-400mmに2xのエクステンダーが装着でき、200-800mm F9-11.2として機能する、と言うことになります。
先ほどクロップで紹介した下の2枚と、この上に添付したANAのボーイング737-500は、このF11オートフォーカスを使っています。ANA BB-8 Jetのボーイング777-300ERについては、フルサイズとクロップ、と言う比較にもなっているのですが、EF 100-400mmあたりでは十分に使える機能になっています。これ、旧タイプのEF 100-400mm F4.5-5.6L IS USMでも使えるそうなので、非常に良い機能と言えそうです。
(作例はすべてEOS Rで撮影)