青春の747[673/23736] N151UA Boeing747-222B ユナイテッドの「エグゼクティブエクスプレス」

1980年代、747-200Bに搭載されたJT9D-7Rエンジンにより、成田~ニューヨークが直行便で運航できるようになっているのですが、JALの機体は専用機となった3機の747-200Bに、Exective Expressのロゴが入って飛んでいたことを、以前こちらでご紹介しました。

当然ですがJALだけでなく、当時この路線を運航していた航空会社は、この手の長距離を無給油で運航できる機体を導入することになりまして、ジェネラルエレクトリック製エンジンを採用していたANAを除けば、JT9D-7Rエンジンを装備した747-200Bを導入していました。

ユナイテッド航空は、元々日本路線は後発で、1983年にパンナムの経営悪化で太平洋路線を引き継いだのですが、手持ちの機材は自社の747-100と、パンナムから引き継いだ747SPとL-1011-500くらい。自前で持っていた機体で、アメリカ東海岸への直行便が飛ばせるのは747SPくらいだった、ということになります。

ご存知の通り、747SPは胴体が短く、旅客定員は普通の747と比較すると多くありません。当時バブル経済で好景気の日本~北米、特に成田~ニューヨークは、常にビジネス客で混雑しており、収益率の高い路線でした。そのビジネスチャンスをユナイテッド航空は現行機材ではどうしても逃してしまうことになります。そこで急遽ボーイングに対し、2機の747-200Bを発注します。

JT9D-7Rエンジン装備の-200Bとして1987年にN151UAとしてデリバリーされたこの機体、747クラシックの末期製造機らしくHFアンテナが翼端についていないスタイルになりました。-300でもHFアンテナがあったりなかったりするのですが、このあたりはそれぞれの機体の製造時期に依存します。
ユナイテッド航空待望の長距離路線用機材として、もう1機のN152UAと共に、成田~ニューヨーク線にほぼ張り付きの状態で運用されるようになります。座席配置も、JALと同様、ビジネスクラスの設定の多い状態になっており、これは後の747-400でも引き継がれることになります。

747-400のデリバリーが本格化すると、成田-ニューヨーク専用機の任は解かれることになりますが、この点はJALのエグゼクティブエクスプレスの3機と同じような感じで、90年代半ばには、太平洋線の一般に運航される機材としても成田へよく飛来していたようです。

しかし、ユナイテッド航空も747-400が出そろうと、経年の747-100や747SPを退役させるようになってきます。2000年にユナイテッドのフリートを離れると、貨物機に改造され、今度はノースウエスト航空の貨物機として、再び太平洋路線に就航するようになります。2009年までノースウエストで活躍すると、今度は同じアメリカのカリッタ航空へ移籍。2016年まで現役で飛び続けます。7Rエンジン装備の-200Bは、エンジン出力が大きいことから貨物機に改造される機体が多かったのですが、いずれも長生きで、製造から30年近く空を飛んでいました。

N151UAはカリッタ航空を退役すると、ジョージアのGeo Airlinesに4L-GELとして移籍、カリッタ航空の帯を残した状態で飛んでいる姿が目撃されていますが、2019年以降はストアされているようです。

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