テヘランで一晩を過ごし、ショートコースの皆様にとっては最終日になりました。私はロングコースに参加したので、このフライトのあとに、まだ国内線に4回乗ることができます。
さて、この日のフライトは、今回のツアーのハイライトでもある、ポウヤエアのAn-74の遊覧飛行です。そもそもAn-74自体が旅客機として飛んでいる例は稀で、貨物機として日本に何度か飛来したのを見たことがありますが、まさかその機体に乗ることができるとは、思ってもみませんでした。
出発は10時、ということで、空港には8時に集合。今回は第4ターミナルからの出発とのことですが、行先はカスピ海側の街、サリ行きになっています。どうも定期便で夕方飛んでいるようですが、午前中はお昼寝しているようで、今回のチャーター便ということになったようです。
チェックインを済ませ、チャーター便ということで、コックピットでの離着陸の権利を抽選で、となったのですが、実際には現地のコーディネーターが勝手に采配してしまい、抽選もくそもない状態に。なんだかよく分からないのですが、こういったところが実にイランらしい、と言ったところでしょうか。
さて、搭乗券をもらってセキュリティチェックを通り、搭乗待合室で待ちます。やはりポウヤエアのフライトとして表示されているのはサリ行きのみ。とりあえずこの行先と便名でないことは確かです。しばらくするとバスで飛行機へと案内され、ポウヤエアのハンガーの前に止まっているAn-74のところで降ろされました。EP-PUCの登録番号の機体で、現状この1機だけのようです。
滑走路にカメラを向けての撮影は禁止で、とりあえず機体の写真の撮影はOK、とのこと。機体の前では、客室乗務員のお姉さんがアントノフ74のイラストの入ったケーキを用意して待ってくれていました。実に太っ腹な対応ですが、その費用はおそらくチャーター料金に上乗せ、ということなんでしょうね(笑)。
ケーキをランプでサービスされたので適当に食べ、促されるまま機内へ。窓が全くないことが特徴で、後方に小さな窓が2か所あるだけです。貨物機に座席を取り付ける、あるいは軍用輸送機、と言うと、こういう雰囲気になるんだろうな、と言った感じでした。
予定通り10時にドアクローズ。エンジンが回り始めます。よくよく考えたら、私自身アントノフ製の機体に乗るのは初めてで、これで主要旧ソ連機メーカーの機体には、スホーイを除き乗ったことになるでしょうか(他はイリユーシン、ツポレフ、ヤコブレフ)。10時06分、ランプアウト。RW29Lへとタキシングを続け、10時16分にエアボーンとなりました。窓がない機体なので、正面に液晶ディスプレイがついており、前方の風景を映していましたが、撮影禁止だのなんだの言う割には、こういうところが微妙に抜けている点は面白いですね。
さて、5分ほどでベルト着用サインが消灯になり、交代でコックピット見学に。コックピット内は撮影OKでしたが、パイロットに声をかけることは禁止、とのことでした。計器周辺が緑色に塗られている点が旧ソ連製の機体であることを物語っていますが、よくよく見ればあちこちにロシア語表記もあり、やはりアントノフだな、と言った感じです。
フライトは離陸後進路を北側に取ったようで、テヘランからアルボルズ山脈へと抜け、一周して戻ってくるコースになるようです。2月ということでアルボルズ山脈は雪化粧。最高峰のダマーヴァンド山も見える絶景フライトになっているのですが、残念ながら窓がなく、この景色も交代しながらシェアすることになりそうです。
フライト中、一応イランエアのケータリングによるボックスミールがサービスされました。おそらく、普段のフライトでもこんな感じでサービスされている、ということかもしれません。
アルボルズ山脈をぐるっと一周すると、フライトの時間もほぼ終了です。座席に戻るように促され、シートベルトサインが点灯。窓がないので何が起きているのかさっぱりわかりませんが(^^;)、正面のディスプレイに映し出される風景を見ながら残り15分ほどを過ごします。11時16分、離陸してちょっきり1時間でテヘラン・メヘラバード空港のRW29Lに着陸となり、11時24分にスポットインとなりました。
到着後、ポウヤエアのチョコレートがサービスされると同時に、機体のランプでの撮影会も開催されました。トルコ登録のチャレンジャーも撮影のためにハンガーから出されて来まして、こちらも自由に撮影してよい、ということになりました。
撮影が終了するとチャーター便は終了。バスに乗せられて、次へと移動することになりました。