このシリーズ、このブログを始めた4年ほど前に何度か記事を書きました。あまり読者のいる記事ではないのですが、たまーに1人、2人と読んでくださる方がいるようです。
今日はその記事で軽くしか書いてこなかった、レンズ選びのお話を書いてみたいと思います。
私のTwitterのフォロワーさんで、最初お目にかかった時に、伊丹スカイパークやスカイランド原田で大型機が上手くフレームに入らない、という悩みをかかえている方がおられました。常に後ろに下がるけど、真横のタイミングで上手くフレームインせずにはみ出してしまう、とのことでした。
撮影に使っている機材は、APS-Cの一眼レフと、100-400mmのレンズ。いろんな人に聞いてこのセットを買った、他のレンズは16-80mmしかなく、こちらだと飛行機が小さすぎるとのこと。
伊丹で撮影している方でしたら、APS-Cの100-400mmの出番を想定すると、「スカイパークや原田のAラン(14L-32R)降り」で、Bラン(14R-32L)の発着を撮影することを考えると、70-200mmを使う、となってきます。私自身、伊丹の撮影となると70-200mmが主体で、機体の大きさに合わせてレンズ付け替えをすることはありますが、この1本の範囲が一番使う画角です。
一方で羽田や成田と言った首都圏の空港で70-200mmは使用頻度はかなり低くなり、100-400mmがかなりの部分で活躍することになります。
なぜこういうミスマッチが発生してしまったのか、ということを考えた時に、私自身思ったのは、「自分の感覚は絶対ではない」ということです。つまり、首都圏の空港で撮影している人が、「カメラとレンズ何を買ったらいいですか?」と聞かれたら、おそらくレンズとしては100-400をおすすめするでしょうし、私達のように伊丹で撮影している人が聞かれたら、70-200をおすすめすると思います。
もちろん、レンズは複数持っているに越したことはありませんし、高倍率ズームならともかく、1本で収まる訳でもありません。ただ、「主に撮影している空港」で、選ぶべきレンズは変化しますし、そのあたりはアドバイスをするにあたって、かなりしっかりとヒアリングをしないといけないことになります。
ただ、はっきり言えることは、「100-400mm」のズーム1本で済むこともないし、「70-200mm」のズーム1本で済むこともないということです。最初の記事で、私はフルサイズ換算で35mmから400mmまでのレンズを揃えておけば、おおよその撮影はこなせます、と書きました。主要空港の送迎デッキなどで撮影する場合は、これで十分です。
もう少し拡張するのであれば、飛行機の場合は望遠域を広げる方が良いので、600mmくらいまで持っていると、おそらくかなりの部分の撮影はこなせます。
結局、私のフォロワーさんのケースでは、18-140mmというズームレンズを1本新規で購入してもらい、100-400mmのレンズと併用することになりました。これで課題になっていた「大型機がフレームに入らない」という課題は解決するに至りました。この方の場合、フルサイズ換算で27-210mm/150-600mmを持っていることになるので、私が書いている35~400(可能なら600)mmはクリアできていることになりますね。
では、こういう写真はどうでしょうか。この手のショットは、冬場の撮影が多いです。なぜかと言えば、夏は陽炎の影響が大きく、気温が10℃を超える場合は、まず陽炎が写真の質に影響します。そして、この手の写真を撮影するには、ワイドボディで最低500mmクラスのレンズが必要になり、場所によっては1000mm、1500mmと言った焦点距離のレンズが必要になります。
ただ、デジタル時代は、「トリミング」という手法が使えますし、私も結構多用しています。ただ、「ハードクロップ」と呼ばれる、センサーが捉えた画像のほんの一部だけ切り取る手法については、あまり用いない方が良いと思っています。なので、やはり焦点距離の長いレンズを上手に使うに越したことはない訳です。
ハードクロップがなぜ駄目なのか、という話は、また機会を改めて書いてみたいと思います。
キヤノンのRFマウントのミラーレス一眼レフの場合、F22までオートフォーカスが作動するそうですので、エクステンダーとかテレコンバータと呼ばれる焦点距離を伸ばすツールを入れて、1000mmを作り出し、撮影したのが、このセクションの画像、ということになります。
レンズ選びの話をまとめるとこうなります。
・フルサイズ換算で35mm~400mm(APS-Cだと22mm~270mm)を買えばなんとかなる
・余裕があれば望遠域は600mmまで持っておくことが望ましい
・旋回ショットは最低500mm、できれば1000mm推奨