ここ2-3年、仕事の関係もあって出張に出ることが多い。月に数回は上京しているし、時に国内海外各地に飛んでいる。当然だが仕事で行っているので、遊びではない。ところが、中には出張が「うらやましい」と思う方が居るようで、出張に行く話をすると、「いいですね、会社の金で飛行機や列車に乗れて。うらやましい。」と言われるのである。
私にしてみれば、出張は苦痛とは言わないが、あくまで仕事である。いつも会社に行くよりもずっと早い時間に家を出て、帰宅する頃には息子が寝ていることも多い。その分妻にはもちろんだが迷惑がかかっている。出先での実働時間は会社に居るより短いが、当然だがその1日分は会社での仕事にしわ寄せが行くので、結局1日外に出ると、仕事が増えるという悪循環にもつながる。
しかし、中には同じ職場の方ではないのだが、出張で遊んでいらっしゃる方もおられるようで、「客先に行く前に羽田で」とか言って、ずっと撮影をされている方を知っている。まあ、これはその方の会社の問題なので、私には関係ないのだが、こういうのが「普通」だと思われてしまう。
唯一のメリットはマイレージやポイントの類になるだろうか。出張に出まくることで、航空会社のマイレージのステータスは維持できてしまう。私の場合はJALなのだが、ほぼ毎年サファイアには達する(と言えば分かる方は分かると思う)。ただ、このステータスは何の意味もなく、正直マイルの溜まる速度が2倍になれど、あとは何のメリットもない。ついでに航空券は会社持ちで買ってもらえるので、たまったマイルは消化されることなく、私のアカウントにたまったままになる。つまり、これもメリットと言ってメリットではなく、しかも最近、ついに飛行機や新幹線に乗る高揚感も失われてしまった。
早い話、「いいですね」と言っている人は、ない物ねだりなのかもしれない。私はそう言われたら、必ず今日のブログのタイトルの言葉を言うことにしている。「いつでも代わってあげますよ」と。もちろん、会社を代表して行ってもらう、と言うことは当然である。
言い換えれば、会社は私に行かせることに価値を感じているからお金を出してくれている訳で、私が仕事をしていない、となれば、出張には出してもらえない。逆に言えば、会社には仕事をしている、と解釈されていると言ってもいいのかもしれないな、とも思う。