オールドレンズで遊んでみる(3回目)

以前からオールドレンズで遊んでみる、と称して、ソ連や東ドイツで作られた昔のレンズでの撮影をご紹介してきました。昨年購入したレンズのうち、おそらく一番稼働率が高いのがヘリオス44-2で、こちらは2回目で桜の撮影に使った事例を紹介しました。
そして、もう1本。星型のボケが出るインダスター61を試す機会を窺っていたのですが、昨年末はコロナ禍でイルミネーションがことごとく中止になり、今年はちょこちょこ点灯している、とのことで、先日行った京都鉄道博物館の帰りに、梅小路公園で試してみました。

絞りは5.6-8くらいの間にセットすると、形が星形になります。これで撮影すると、背景の照明のボケが丸ではなく星形になる、と言うものです。

実はこれ、相当条件が良くないと、ボケの星が見えないことが分かりました。上の写真を拡大してみると、照明が星型になっているのがわかりますが、はっきりとアピールしようとすると、背景の照明が比較的大きく入る環境でないと、なかなか難しいかもしれません。

またイルミネーションとかの環境下で持ち出して使ってみようと思いますが、ヘリオスと比べると使用頻度は低いのは間違いなさそうです。

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オールドレンズを使ってみる(その2)

先日の桜散策の折に、以前購入したオールドレンズのうち、ヘリオス44-2 58mm F2を持ち出してみました。1958年から1990年代まで製造されているレンズで、ZENITの一眼レフ向けの標準レンズとして生産されていたので、中古市場にも潤沢に出回っています。
このレンズ、1本5000円くらいで買えるチープなレンズにも関わらず、開放付近で撮影すると、背景のボケがグルグルと渦を描いたかのようになるので、その効果を狙って使う人も多いようです。

桜が満開の時期、背景にピンクの渦のボケを入れることができるので、なかなか面白い写真を撮ることができます。現代のレンズではなかなかこんな絵は撮影できない気がします。
ちなみに私の個体は1978年製造のようで、レストアされるときの組付けが違っているのか、絞りの設定が変なのですが、基本的に絞り込み測光なので、開放になっているかどうかは正面から見れば明らかで、あまり困らずに使っています。
我が家には他に3本のオールドレンズがあるのですが、このレンズの出番が一番多いように思います。

オーバーホール

購入初期のテスト撮影の1枚

普段飛行機撮影に使っているEOS 5D MarkIVを購入して間もなく4年。メイン機材で飛行機から息子から撮影しまくっていたので、シャッター回数が10万回を超え、キヤノンでメンテナンスの時に「12万回をめどにシャッターユニットの交換をした方が良いですよ」とのアドバイス。耐久は15万回ですが、私自身使っている最中にシャッターが壊れて撮影できなくなっても困るので、オーバーホールに出すことにしました。

実はオーバーホールには3月をめどに、と思っていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大で、キヤノンのサービスセンターが臨時休業に。結局、持って行けたのは6月も末になってのことでした。2週間かかる、と聞いていたのですが、実際は1週間ほどで返って来ました。

で、オーバーホールした際にシャッター関連部品と、空転が若干あったメインダイヤル、それと掃除している時に傷をつけてしまったらしいフォーカシングスクリーンが交換になり、コストとしてはキヤノンフォトサークルの値引きが入って5万円弱。もちろんセンサーもクリーニングされていますし、他の調整もすべて実施済みで戻ってきています。

最近のキヤノンは、完全にミラーレスへのシフトを進めていて、開発資源をEOS RシリーズとRFレンズに集約しているようです。7月30日に発売したEOS R5、8月28日に発売したEOS R6を実質のEOS 5D/6Dシリーズの後継機として設定し、今後ミラーレスへのシフトを進めるでしょうから、EOS 5D MarkIVの後継機は出てこないと思っています。なので、光学ファインダーを搭載したフルサイズの一眼レフとして、如何にメンテナンスして維持するか、ということを考えないといけませんし、同時にEFレンズの維持についても考えなくてはいけない時期になってきたとも言えそうです。

オールドレンズを使ってみる

私のカメラ遍歴を話すと長くなりますが、最初にキヤノン(FDマウント)を使い、ニコンに移り、再びキヤノンに戻った後は、ずっとキヤノンEOSユーザーです。尤も、ニコン時代のボディとレンズはほぼそのまま持っていますし、中古屋のジャンクコーナーから救い出したカメラやレンズもいくつも生きているので、現状キヤノンFD、ニコン(マニュアル)、それにキヤノンEOSはほぼ全マウント(フィルムEF、デジタルEF/EF-S/EF-M/RF)と持っています。

最近はデジタルカメラにフィルム時代の古いレンズをつけて撮影する、ということが某SNSあたりで流行っているようで、私も手持ちのアダプターでニコンやキヤノンFDのレンズをミラーレス機につけて撮影する、なんてことをやっていました。
そして先日、ふと思い立ってM42マウントのアダプターを購入。そして昔のソ連や東独のレンズの中に、M42マウントの癖のある面白いレンズが多いことが分かり、何本か買って遊んでみることにしました。この手のレンズの良いところは、現行のカメラに基本的には使いづらいので、価格が安いこと。そしてソ連や東独の品質が「悪い」と思われていることに尽きます。
今回購入したレンズ、こんな感じです。

(1)Pentacon 30mm F3.5(東ドイツ製)
東ドイツのペンタコン人民公社製の広角レンズです。30mmという画角は、あまり現代のレンズではなじみがないのですが、フルサイズはともかくAPS-Cではほぼ標準レンズになります。東独のレンズは海外から購入するよりも、国内で買う方が安いようです。1本7-8000円くらい。一番最初に届いたこともあって、EOS Rにつけて使ってみました。こんな感じで写ります。今のレンズよりも少し柔らかい描写になるでしょうか。

(2)Helios 44-2 58mm F2 (ソ連製)
ソ連製のカメラ、ZENIT向けの標準レンズとして大量生産されたレンズです。それゆえにかなり安価で手に入り、状態の良いものが海外から購入するなら50ドルも出せば手に入りますし、国内で流通しているものも6-7000円くらいで状態の良いものが手に入ります。こちらはフルサイズで使えば標準よりやや望遠気味のレンズ、APS-Cで使えば中望遠レンズとして使うことができます。
このレンズの特徴は「ぐるぐるボケ」と言われる特有のボケにあります。なかなかこのボケを出すのは難しく、F値開放でテストしたところこんな感じのボケが出てきました。

(3)Industar-61 L/Z 50mm F2.8 (ソ連製)
こちらもソ連のレンズで、1970年代から最近まで製造されていたレンズです。国内では後述の事情により高騰し、1本1万円以上します。今回購入した4本のレンズでは最高値のレンズになります。海外から購入すれば1本送料込みで80ドルくらい。私はエストニアの業者から購入しました。画角はHeliosとほぼ同じです。
このレンズの特徴は、絞りが星形になるので、「星形のボケ」が出ることに意味があるのですが、これが某SNSで取り上げられて、ソ連のソの字すら知らない若い方を中心に人気が出て、国内価格が高騰。酷いと2万円近い値段が付く自体になっています。
この星形ボケ、一番わかりやすいのはイルミネーションの撮影とのこと。ということでまだこちらは何となく後ろの光源が星形になったかな、というレベルまでしか試せていません。

(4) Industar-50-2 50mm F3.5 (ソ連製)
これもソ連製ですが、それこそマウントキャップ?と思えるくらいの小さなレンズです。「パンケーキ」と呼ばれるレンズですが、M42マウントでないカメラにつけると、ほぼボディキャップのような状態になってしまいます。口径が35.5mmと小さく、フィルタもマルミ光機から2種類出ているだけ、キャップは37mmのかぶせ式の物を使用しました。こんなおもちゃのような見た目でも、普通に撮影はできます。

ということでこの4本、EOS R6を使えば、手振れ補正ありで使用できることにもなりますので、いろいろと試してみようと思っております。

我が家のカメララインアップ(フィルム編)

フィルム編でも、実は一番よく使っているのはこちらである。

EOS-1とEOS-1 Nを稼働状態で2台、それにパワードライブブースターを稼働状態で2台持っている。いずれもオークションで入手しており、EOS-1とパワードライブブースターが5000円、EOS-1Nが3800円、別のパワードライブブースターが3980円と、いずれも1万円以下で入手している。他に2500円で買ったEOS-1がもう1台温存してあるので、たいがいとんでもない安い金額である。EOS-1はフィルムの最末期に持っていたのだが、デジタルに買い替えた時に1万円くらいで売ってしまっているので、それからすると値落ちはあまりしていないのかもしれない。
フィルム専用、という訳ではないのだが、EF 70-210mmをフィルム用にしており、このレンズで大半の撮影をこなしている。このレンズも3500円買ったレンズである。これ以上の広角域、望遠域が必要な場合は、EFレンズがそのまま使用できるので、この2本以外を使うこともある。
もちろんこんな組み合わせで持っている時点で、被写体は飛行機オンリー。オートフォーカスの面でもキヤノンに慣れているので、キヤノン以外はほとんど使わない、というのが正しい。

と言いつつ、細々とオートフォーカス機として持っているのがこちら。ニコンのF一桁シリーズと言えばプロ用の一眼レフとして有名だが、その中で一番人気がないのがF4である。ところがこのF4、現行のレンズも含めて、ほぼすべてのニッコールレンズをつけて撮影できる、というメリットがある。我が家には古いレンズからオートフォーカス黎明期くらいのレンズがあるので、最も使い勝手の良いカメラとも言える。フリマサイトで6000円という値段で売られていたので買ってみた。
もう一つ、ニコンのフィルムAFとして、F-801をオークションで550円で落札。送料入れても1000円ちょっとで、先日のジャンクカメラ以下の値段である。尤も、カメラ自体はジャンクに近く、電池室に液漏れの跡あり、ただし稼働します、という条件。露出計も異常なさそうだった。
これに標準域、望遠域で1本ずつズームレンズを持っているので、これはこれで稼働させられる(が、購入後まだテスト撮影に至っていない)。もちろんこれらのレンズも中古品で、1本5000円以下で買った代物である。

そして我が家のフィルムで、EOS-1以外で一番稼働しているのがニコンMFのFE2であろうか。先日ニコマートELの話は書いたが、私の保有機材で一番よく稼働しているのはFE2で、年に数回、フィルムを詰めて撮影している。最近になって広角域の単焦点を2本購入したので、こちらは稼働率が上がっている。FE2と35mm、70-210mmズームは は私が高校生の頃から30年近く持っている機材で、シルバーのFTNと旧ニッコールの50mmは、学生の頃に中古で購入。ELはジャンクかご救出機、他はオークションなどで1万円以下で買ったレンズで構成している。
ニコマートELはFE2と操作系が近いので、今後FE2を温存しつつ、こちらのカメラも活用していこうと思っている。


最後はキヤノンMFである。実はこちらのうち、FD 135mm F2.5は叔父が持っていたものを譲り受けたので、私が持っている機材の中では実は一番長いこと持っている1本、ということになる。それ以外は、FD 50mm F1.8を除きすべてジャンク品。AV-1、T70は1000円で購入(AV-1のシャッター幕修繕ネタはこちらのブログでも書いた)、FD 100-300mmも1000円、シグマの28mmはオークションで動作未確認を2000円で、シグマの35-70mmは同じく動作未確認の他のレンズとセットで2本1000円で買ったもの(もう1本は完全ジャンクで廃棄)。これだけジャンク率が高いにもかかわらず、AV-1とFD 100-300mmで飛行機撮影をしたこともあるし、シグマの28mmでスナップ撮影なんかもしていたりする。T70はあまり使っていないのだが、MF機で、FE2の次に稼働しているのがAV-1かもしれない。小さくて軽い、ということはミラーレスでもそうだが正義なのだ。

こうしてみると、実はフィルムカメラのボディとレンズがデジタルよりも多く、場所を取っているという事実に気が付いてしまうのであった。大半がジャンクで打ち捨てられていたものを格安で購入している分、撮影できるという感動があるからなのかもしれないが、フィルムが入手しづらくなってきた今、むしろフィルムで撮影する意義というのが出てきているのかもしれない。

我が家のカメララインアップ(デジタル編)

このブログは旅と日々の徒然なので、私の「日々」で結構な割合を占めるカメラのトピックも書いているのだが、最近ちょこちょこフィルムでの撮影も含めて増加してきているので、一度カメラのラインアップをしてみようと思う。
今日はデジタル編、次回フィルム編にさせていただくこととしたい。

デジタルは完全にキヤノンオンリーになっており、EOSシリーズで統一されている。まずはこちら。

ボディはEOS 5D Mark IVとEOS 6D MarkII、レンズは8mmから400mmまで、中望遠域の単焦点とズームレンズ主体の構成になっている。中~長望遠域は用途に合わせて2本ずつ持っており、その時の撮影目的でレンズの組み合わせを変えている。これ以外に35mm、50mmの単焦点も持っている。
このカメラとレンズで大半望遠ということからもわかる通り、メインの飛行機と鉄道以外はほとんど撮影せず、たま~に息子の撮影が入るという、完全に親父の趣味のための撮影機材になっている。
ただ、この機材を常に持ち出すと、さすがに重いしかさばるので、家族旅行などでは一眼レフは最近すっかり持って行かなくなってしまった。その分、こういう機材に走っている。

ミラーレス一式である。当初はEOS M2を買ってみたのだが、とにかくピントは合わない、連写できない、動きものは追えないと、持ち出す機会も少なく、レンズもキットでついてきたEF-M 18-55mmとEF-M 22mm、それにEF-EOS Mのアダプタだけを数年間持っていた。
ところが子供が生まれるとミラーレスのコンパクトさは便利であり、さらに昨年、EOS Kiss Mが発売になり、これを買うつもりでいたら、とあるリサイクルショップで、EF-M 18-150mmつき5万円という破格でEOS M5が売られていたので、速攻購入した。そして、このカメラを使って、M2の三重苦がことごとく払拭されていたことに気が付いた。ピントも合う、連写もできる、動き物も制限はあるけど追える、そしてコンパクト、とくれば、家族旅行で空港にほとんど寄らないというスタイルなら、これで十分である。出張中の飛行機待ちの時間つぶしもこのカメラに交代した。
その後、広角域が欲しかったのでEF-M 11-22mmを買ったり、一眼レフを完全フルサイズ化することで余剰になったトキナーのフィッシュアイ、AT-X 107 DX Fisheyeや、EF-S 55-250mmなども転用できてしまった。今年に入って、M2が故障したため、M100へ買い替え、そのタイミングでEF-M 15-45mmも購入。こちらはいろいろな組み合わせで持ち出すのだが、私が持ち出すのはEF-M 15-45mmとEF-S 55-250mmか、EF-M 18-150mmとEF 70-300mm(上の一眼レフ用)とEF-M 11-22mmとEOS M5の組み合わせ、一方で嫁さんはEOS M100にEF-M 18-55mmをつけて、子供と一緒に出掛けて行っている。

ということで次回は「1000円カメラ連発」のフィルム編を書いてみたい。

使えるジャンクカメラ

以前カメラのカビだらけのレンズのクリーニングの話を書いたのだが、先日出かけた際に、カメラのキ〇ムラに寄る機会があった。出先にいくつか キ〇ムラ があるのだが、ジャンクコーナーに置かれているカメラやレンズはお世辞にも状態が良いものはなく、カビ取りクリーニングをするとか、一度ばらしてもう一度組み上げるとか、そんな作業が必要になるものが多い。

ところが先日、これが本当にジャンクなのか、と思うほど状態が良く、しかも
ニコマートELの黒
であった。ニコマートと言うと、今時はコンビニらしいのだが、その昔ニコンは、ニコンブランドを名乗れるのは、フラッグシップのFだけ、廉価版の一眼レフは、すべてニコマート(海外ではニッコールマート)という名前で販売していたらしい。亡き私の英語とカメラの師匠は、ニコマートFTNとELを持っており、過去FTNを購入して手元にあるので、奇しくも私自身もその2台を入手することとなった。1台1000円、シャッター切れるし露出計も動く。ということで買って帰った。ちなみにELはニコンでは初の電子シャッター搭載機で、絞り優先のオート機能がついている。ファインダーを覗くと、私の長年の相棒のFE2に近く、ピントも合わせやすかった。

普段はキヤノンだが、フィルムカメラに限ってはニコンのMFを持っている。化石のような旧ニッコールが2本、Aiニッコールが2本、オークションで買ったレンズと「ニコイチ」したタムロンの70-210mm(46A)があったので、早速そのうちの1本を取り付け、露出計を自宅でもチェックした。

若干オーバー気味かな、とは思ったものの、その後EOS M100と共に屋外で確認すると、ほぼ適正露出を指している様子。我が家では3台目のニコンのカメラ、ということになるのだが、この1台が1000円だったのはラッキーだった。

そしてその時に500円で売られていたのが、FE2のモータードライブ、MD-12。おそらく動作未確認で売られていたと思うのだが、こちらは自宅でFE2に取り付けて動作確認。すると、こちらも動いてしまった。
MD-12も、現在の1台だけではいつ壊れて動かなくなるかわからないので、予備が欲しいと思っていたのだが、500円で入手できてしまったのであった。

その後、オークションで28mm、メルカリで24mmを格安で入手できたので、現在我が家のニコンのマニュアルフォーカスフィルム一眼レフは、24、28、35、50、70-210と一通りそろえることができている。ELで撮影した写真は今度現像してみようと思っている。

ジャンクカメラを復活させる話~その後

以前、「ジャンクカメラを復活させる話」として、こんな記事を書いた。その時に2本のレンズと1台のカメラを復活させた話を書いたのだが、その後どうなったのかご報告しようと思う。


ニコンFE2については、電池の液漏れで使えなくなっていたMD-12を、こちらも半分ジャンク状態のものをオークションで入手。上手いこと動くようになったので、FE2とMD-12、それにタムロンの70-210mm F3.8-4(46A)で実際に空港で撮影してみた。カラーで撮影するにはすでに枯れた私の腕では怪しいので、今回はモノクロフィルムを詰めた。富士フィルムのネオパンアクロスを使用、ANAのB737のタッチダウンを狙ってみた。

この通り、普通に撮影できた。フィルムでの撮影故に、露出他かなりシビアだったが、何とか止められる写真になったようだ。後ろも流れているので、多分1/250秒あたりで押したと思うのだが、データをメモする習慣はすでになく、そのまま現像に出してしまった。
さて、これと共にシャッター幕修復をかけたAV-1もテスト撮影を実施した。こちらはFD 100-300mm F5.6を装着し、ドライブがないので一発勝負のタキシングショットにした。当時はこんな機材しかないので、撮影も一発勝負か頑張っても2発くらいだったはず。

こちらも普通に撮影できていた。この2本のレンズも問題なかったことを物語っており、わずか2000円で買ったフィルムカメラでもこの程度の写真は撮影できる、と言うことになる。もちろん、このカメラだと基本は一発勝負になるので、本戦で投入することは難しいかもしれない。
ちなみに私自身、フィルムカメラとしてデジタルとすべてのレンズが共用できるEOS-1Nをドライブ付きで持っており、普段のフィルム撮影はほぼ100%そちらで行っている。FE2やAV-1も、たまにはフィルムを装填して撮影してみると、過去を思い出すことができるものだ、と思った。

ジャンクカメラを復活させる話

先日からジャンクコーナーのカメラやレンズを修復する作業をしていた。500円や1000円と言った金額で購入したレンズやカメラ、カビが生えたものは分解清掃で、他にまったく問題なしや、軽微な問題で済む物が約半数、残りは本気で使い物にならないゴミである。買って問題なかったものもあるが、それなりに問題ありで購入し、上手く修復できたものが3件ほどあったのでまとめておきたい。

カメラのキタムラのジャンクコーナーにあったタムロンの80-210mm F3.8-4 (103A)。このレンズ、私の亡き写真の師匠が使っていたのと同じレンズで、私自身は後継モデルの70-210mm F3.8-4 (46A)を使用していた。1本500円ということで買って帰った。ほぼすべてのレンズにカビもしくはクモリあり。
比較的構造が簡単で、ネット上にも事例が散見されたこともあり、完全にカビ取りすることができたのだが、最後の最後に大きなミスをしてしまった。絞りとセットになっている後玉をクリーニングしようと絞りユニットのビスを緩めたところ、絞りがバラバラになってしまったのである。ここで作業を中断。復元してみようとしたが、どうにも無理。初心者にはハードルが高すぎた。
その後、オークションで複数のレンズを落札する時に、このレンズと同型のものを落札。最終的に複数のレンズの一番使えそうなパーツを集めて作った「ニコイチ」にして、組み上げ完了。EOS M5にアダプターを介して取り付け、撮影してみたところ、問題なく撮影でき、無限遠も取れているようだった。現在はFDマウント用の望遠レンズとして実戦使用している。

103Aで気をよくした私、かつて使っていた同じタムロンの70-210㎜ F3.8-4 (46A)についてもやってみることにした。このレンズ、亡くなった祖母が高校入学の時に買ってくれた思い出のあるレンズで、ニコンFE2と共に手放すことなく今に至っている。数年前に後玉にカビかクモリかよく分からないものが発生し、分解する順番を間違えて戻せなくなってしまっていた。
こちらもオークションで同一レンズの前玉にカビありの個体を500円で購入。後玉を入れ替えて修理完了。こちらも実質ニコイチだが、後玉周辺以外はオリジナルパーツで稼働している。
こちらもEOS M5で動作確認し、現在はニコンマウントのアダプトールを付けて現役に復帰させることができた。かつてのFE2+MD-12とこのレンズという、飛行機撮影初期の撮影セットが戻ってきたのであった。

基本的にモジュール化されているので、ニコイチ可能な部分も多々あったのが幸いしたと思っている。その後何本かニッコールやらFDやらシグマやらをバラしてみたが、タムロンの2本ほど上手くはいかなかった。

そして再びキタムラのジャンクコーナー。オークションでキヤノンの迷機、AV-1のシルバーを前日に1台落札していたのだが、ジャンクコーナーに同じAV-1のブラックが置いてあった。電子シャッター機故に電池を入れないと作動しないのだが、直感で「こいつは行ける」と思い、980円でお買い上げ。2台も同じカメラは要らないが、一方でオークションの個体は、記述を読む限りは使えそうだが「現状品」である。万が一のことも考えて買って帰った。
スプリットが斜めになっていることと、シャッター幕に傷が入っていることがジャンクの理由だが、スプリットはFDレンズをつけて動かしてみたところ問題なし。少しピント合わせはしづらいが、慣れれば大丈夫と判断した。シャッター幕については、写真の赤丸の所に傷があり、反対側が透けて見える(^_^;)

ネット上にあった墨汁と木工用ボンド、繊維をまぜ、傷のあるところに筆などで塗る、と言う方法で写真のように補修したところ、透けて見えなくなり、修理は完了。ここまで来て、露出計の動作がNGだったら、ただのゴミになってしまうのだが、こちらはEOSデジタルとISOを合わせて測定すると、同じ露出値を表示。ということで黒いAV-1はちょっとした補修で一応撮影可能なレベルに戻せてしまったので、ミラーやフィルム室の埃を除去し、ストラップをつけて使えるようにした。
一方、オークションで買ったAV-1は、露出計が完全に異常で、確かに「シャッター切れます、露出計『動きます』」の記述は間違っていないが、全く持って露出は正しくない。つまり、絞り優先専用機としては致命的。復活したAV-1ブラックの部品用に保管しておくことにしたが、まさかジャンクコーナーのカメラが復活し、オークションで使えそうな記述のあった個体が使えなかったというオチであった。ちなみにオークションの個体も1000円。このあたりの値段のカメラは、個体が古いこともあるが、判断が難しい気がした。