出張の宿

ほぼ毎週出張に行っているのだが、宿泊を伴う出張は月に1-2回である。この宿泊を伴う出張、時と場合によるが、良い面と悪い面がある。その話を今日は書いてみたい。

まず、悪い面。
一つは寝具が自宅と違うので、入眠までに時間がかかること。この部分は、国内については同じホテルチェーンを使うようにしているので、かなり軽減され始めたが、やはりまだ完璧ではない。
次に、何かイベントがあって部屋が取れない時に、自分の意に反する宿に泊まらないといけないこと。いつものチェーンのホテルが取れず、取れたホテルは喫煙のみ。きれいに掃除されて行き届いていれば良いのだが、残念ながら部屋に染み付いたたばこの匂いがきつく、その日は一睡もできなかったことがある。
それ以外に、壁の向こうの部屋の声が聞こえてくるとか、機器の音が気になるとか言った騒音の問題。これは耳栓持参で基本耳栓をして寝ているので、ほぼ問題なくなった。
ほぼ毎月1-2回の首都圏出張は、同じチェーンのホテルが取れないことがレアになり、今やそれなりに睡眠がとれるようになったのは、この悪い面に対しての努力(?)の成果である。

逆に良い面。
一つは、朝までぐっすり眠れること。自宅だと、どうしても息子の泣き声に起こされることが多い。おとなしく寝てくれることも増えてはきたが、未だに深夜の覚醒は少なからず発生する。
もう一つは、宿のポイントで出張旅費が浮くこと。日当制なので、ここは調整すれば丸々自分の懐に入る計算になる。
他に、嫁さんに文句を言われないので、冷暖房は自分の好き勝手調整できるのも良い面かもしれない。

こうして見てみると、悪い面の方が圧倒的に多いのだが、そこは努力と工夫で何とかしている、と言うのが正直なところである。なかなか出張先の宿ですっきりした目覚め、と言うのは難しいのだが、時にぐっすり眠れてすっきり目が覚めると、非常に得した気分になるのは私だけではあるまい。

いつでも代わってあげますよ

写真と本文はあまり関係ありません

ここ2-3年、仕事の関係もあって出張に出ることが多い。月に数回は上京しているし、時に国内海外各地に飛んでいる。当然だが仕事で行っているので、遊びではない。ところが、中には出張が「うらやましい」と思う方が居るようで、出張に行く話をすると、「いいですね、会社の金で飛行機や列車に乗れて。うらやましい。」と言われるのである。
私にしてみれば、出張は苦痛とは言わないが、あくまで仕事である。いつも会社に行くよりもずっと早い時間に家を出て、帰宅する頃には息子が寝ていることも多い。その分妻にはもちろんだが迷惑がかかっている。出先での実働時間は会社に居るより短いが、当然だがその1日分は会社での仕事にしわ寄せが行くので、結局1日外に出ると、仕事が増えるという悪循環にもつながる。
しかし、中には同じ職場の方ではないのだが、出張で遊んでいらっしゃる方もおられるようで、「客先に行く前に羽田で」とか言って、ずっと撮影をされている方を知っている。まあ、これはその方の会社の問題なので、私には関係ないのだが、こういうのが「普通」だと思われてしまう。

唯一のメリットはマイレージやポイントの類になるだろうか。出張に出まくることで、航空会社のマイレージのステータスは維持できてしまう。私の場合はJALなのだが、ほぼ毎年サファイアには達する(と言えば分かる方は分かると思う)。ただ、このステータスは何の意味もなく、正直マイルの溜まる速度が2倍になれど、あとは何のメリットもない。ついでに航空券は会社持ちで買ってもらえるので、たまったマイルは消化されることなく、私のアカウントにたまったままになる。つまり、これもメリットと言ってメリットではなく、しかも最近、ついに飛行機や新幹線に乗る高揚感も失われてしまった。

早い話、「いいですね」と言っている人は、ない物ねだりなのかもしれない。私はそう言われたら、必ず今日のブログのタイトルの言葉を言うことにしている。「いつでも代わってあげますよ」と。もちろん、会社を代表して行ってもらう、と言うことは当然である。
言い換えれば、会社は私に行かせることに価値を感じているからお金を出してくれている訳で、私が仕事をしていない、となれば、出張には出してもらえない。逆に言えば、会社には仕事をしている、と解釈されていると言ってもいいのかもしれないな、とも思う。