中国の成長

先日、仕事で中国に行く機会があった。パスポートを見てみたら、最後に行ったのは3年前の北京だったようだが、いずれにせよ3年間は中国への入国履歴はなかったようだ。尤も、私自身が子供が生まれてから、海外にあまり行っていなかったので、中国どころかこの3年間で出入国があったのは台湾、マレーシア、アメリカの3か国でのべ4回しかない。


仕事で行くとなれば、自動的に上海になるのだが、上海浦東国際空港に到着し、入国審査を済ませて、職場の上海事務所に迎えに来てもらったのだが、まず配車サービスが恐ろしく普及していることに驚いた。タクシーではなく配車サービス、しかも大半が高級車を使っていることが多い。迎えに来たのはボルボだった。

そして、上海事務所の人と夕食を取って、支払いとなると、今度は電子決済であった。噂には聞いていたが、携帯の画面にQRコードを表示させ、店がそれをスキャンすれば支払い完了。中国の銀行口座がないとアカウントが開設できないそうだが、一方でクレジットカードの決済は出来るところが限られるので、訪問者には不便である。システムとしてはデビットカードなので、口座にお金がなければ決済されない、と言うことになるようだ。

私自身の上海訪問は10年ぶりくらいだったのだが、以前行った時と比べて、明らかに治安が良くなっていることを感じた。リュックサックを使っている人が結構多いのだ。以前の中国であれば、スリ対策などでリュックサックではなくショルダーバッグをたすき掛けにしろ、と言われたものだが、今はそんな状況らしい。

中国政府はとにかくあちこちに監視カメラとしての防犯カメラを取り付けたらしい。これが中国において犯罪を止めるきっかけになったとのこと。そして、電子決済はごまかしがきかない。以前であれば、ぼったくりをすることができたのだが、電子決済では証拠が残るので、そうそうぼったくりもできなくなったらしく、悪徳業者は減ったと聞く。そして配車サービスの拡大で、タクシーの利用者が減り、タクシーの運転手の質が向上した、と言う。

ただ、そこはやはり中国。何かにつけてミスやトラブルは多発する。電子決済については、あまりに普及しすぎて現金を受け取らない店が増え、政府が現金は受け取るように、と法律を変えてしまった。「まずやってみて、そこから法律を変えればいい」と言うのが中国流のようだ。 私の友人曰く、「中国人を止めるにはカメラ、動かすにはお金」があれば良いらしい。

もちろん中国のやり方が100%正しい訳でもないし、実際これですべてがうまく行く訳ではないのだが、思った以上に中国が発展していて驚いた。私自身、3年前よりももっと進化していたのが驚愕であった。
ただ、ネット規制は以前よりもさらに厳しくなったようで、こちらは相変わらずであった。もう少しそこは緩めても良いのではないか、とは思うのだが。

いつでも代わってあげますよ

写真と本文はあまり関係ありません

ここ2-3年、仕事の関係もあって出張に出ることが多い。月に数回は上京しているし、時に国内海外各地に飛んでいる。当然だが仕事で行っているので、遊びではない。ところが、中には出張が「うらやましい」と思う方が居るようで、出張に行く話をすると、「いいですね、会社の金で飛行機や列車に乗れて。うらやましい。」と言われるのである。
私にしてみれば、出張は苦痛とは言わないが、あくまで仕事である。いつも会社に行くよりもずっと早い時間に家を出て、帰宅する頃には息子が寝ていることも多い。その分妻にはもちろんだが迷惑がかかっている。出先での実働時間は会社に居るより短いが、当然だがその1日分は会社での仕事にしわ寄せが行くので、結局1日外に出ると、仕事が増えるという悪循環にもつながる。
しかし、中には同じ職場の方ではないのだが、出張で遊んでいらっしゃる方もおられるようで、「客先に行く前に羽田で」とか言って、ずっと撮影をされている方を知っている。まあ、これはその方の会社の問題なので、私には関係ないのだが、こういうのが「普通」だと思われてしまう。

唯一のメリットはマイレージやポイントの類になるだろうか。出張に出まくることで、航空会社のマイレージのステータスは維持できてしまう。私の場合はJALなのだが、ほぼ毎年サファイアには達する(と言えば分かる方は分かると思う)。ただ、このステータスは何の意味もなく、正直マイルの溜まる速度が2倍になれど、あとは何のメリットもない。ついでに航空券は会社持ちで買ってもらえるので、たまったマイルは消化されることなく、私のアカウントにたまったままになる。つまり、これもメリットと言ってメリットではなく、しかも最近、ついに飛行機や新幹線に乗る高揚感も失われてしまった。

早い話、「いいですね」と言っている人は、ない物ねだりなのかもしれない。私はそう言われたら、必ず今日のブログのタイトルの言葉を言うことにしている。「いつでも代わってあげますよ」と。もちろん、会社を代表して行ってもらう、と言うことは当然である。
言い換えれば、会社は私に行かせることに価値を感じているからお金を出してくれている訳で、私が仕事をしていない、となれば、出張には出してもらえない。逆に言えば、会社には仕事をしている、と解釈されていると言ってもいいのかもしれないな、とも思う。

息子の保育園通い

この春から息子が保育園に通うようになり、半年近くが経過した。本当は昨年の秋に保育園に入れたかったのだが、昨今話題の待機児童問題に我が家も巻き込まれ、結果半年待ち、ということになった。
新規開園の保育園だったので、未だにいろいろなことが試行錯誤している感じはするのだが、一方でそれが良い方に働くこともあって、幸いにして上手く回っている(と思っている)。

息子にしてみれば、初めての外の世界である。さすがに最初の2日は最初から最後まで泣いていたらしく、連絡帳にも「ずっと泣いていました」「おやつはすべて残しました」と記載があった。食べることにかけてはおそらく同世代の子供ではなかなかいないんじゃないか、と思うくらい何でもパクパク食べる息子が、おやつを全く食べずに残す、というのはかなり珍しい。
ところがそこは子供、3日目になったらおやつは完食するようになり、保育時間が午後までになると、給食も完食。そして自宅と同じく、「足りない」と言って泣くようになったらしい。尤も、その後泣くことは「外の世界」を認識したらしく、保育園の先生曰く、「最後の方になるとゆっくり食べてます」とのことであった。

この泣いていたことからも分かるように、すでに人見知りも始まっており、知らない人しかいない世界は、顔をくしゃくしゃにして泣くほどのことだったらしい。もちろん最初は保育園もその世界だったのだが、保育園の先生やお友達については、もう心を許しても良い人になってきたようで、保育園は楽しい場所、という認識ができてきているようであった。
そしてもう一つは、保育園で年上の園児たちにすごく人気があるらしい。「かわいい!」「大好き!」と言われて遊んでもらっているようなのだが、親としては「調子に乗るんじゃないか」とか「大丈夫かな」とか思ってしまう。尤も、成長すれば息子も立場が逆転する訳なので、そこは心配する必要はないのかもしれない。

そして、同世代の子供との集団生活は、息子にとっていろいろな良い影響があったのは間違いないようで、以前であればテレビを見ても、黙って座ってみているだけだったのが、ちゃんと振りに合わせて(正確ではないが)動くようになってきた。
最初はどうなるかと思っていた保育園通いだが、息子にとっても良い効果があったのかな、と思っている。