ベルリンのボロボロのS-Bahn

ベルリンのボロボロのS-Bahn

古い電車ネタからそのまま継続するネタになるのだが、ドイツの首都ベルリンにも、古い電車が走っていた。ドイツの主要都市には、S-Bahn(Schnell Bahnの略)と呼ばれる通勤電車が走っており、空港アクセス鉄道を兼ねていたり、市内の移動手段であったりする。ベルリンにもS-Bahnが走っているのだが、他の都市のS-Bahnと違い、第三軌条方式で、地下鉄のような雰囲気である。

今でこそ新しい電車が走っているが、1995年に初めてベルリンに行ったときは、戦前に作られた古い電車が、未だ東ドイツの雰囲気の残る駅を発着していた。ほとんどの電車が古い車両で運転されており、調べてみると大半が戦前の製造。車齢は50年から60年とのことであった。
旧西ドイツでは、S-Bahnの車両は1980年代から90年代に作られた新しい車両で運転されていた。他方、ベルリンの場合は、S-Bahn自体が東側の運用だったということもあるのだが、車両の更新が遅れており、1990年代でも戦前型の車両がつりかけモーターの音を響かせて走っていたのである。そして、木製シートの車両も走っており、大都会ベルリンも、まだまだ東西分断が色濃く残っていた時代でもあった。

さすがに2002年に訪問した時には、古いS-Bahnは一部を残して姿を消し、新しい車両が主体になっていた。結局私自身が最後に乗ったのも、この2002年の訪問時であったと記憶している。

現代のベルリンのS-Bahnは、すでに新型車両に置き換えられてしまっているのだが、1編成だけパノラマS-Bahnと呼ばれる列車用に改造された編成が生き残っているらしい。なかなかベルリンに行く機会には恵まれないが、東西分断の痕跡はずいぶんと薄れつつあるようだ。

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