オールドレンズで遊んでみる(3回目)

以前からオールドレンズで遊んでみる、と称して、ソ連や東ドイツで作られた昔のレンズでの撮影をご紹介してきました。昨年購入したレンズのうち、おそらく一番稼働率が高いのがヘリオス44-2で、こちらは2回目で桜の撮影に使った事例を紹介しました。
そして、もう1本。星型のボケが出るインダスター61を試す機会を窺っていたのですが、昨年末はコロナ禍でイルミネーションがことごとく中止になり、今年はちょこちょこ点灯している、とのことで、先日行った京都鉄道博物館の帰りに、梅小路公園で試してみました。

絞りは5.6-8くらいの間にセットすると、形が星形になります。これで撮影すると、背景の照明のボケが丸ではなく星形になる、と言うものです。

実はこれ、相当条件が良くないと、ボケの星が見えないことが分かりました。上の写真を拡大してみると、照明が星型になっているのがわかりますが、はっきりとアピールしようとすると、背景の照明が比較的大きく入る環境でないと、なかなか難しいかもしれません。

またイルミネーションとかの環境下で持ち出して使ってみようと思いますが、ヘリオスと比べると使用頻度は低いのは間違いなさそうです。

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オーバーホール

購入初期のテスト撮影の1枚

普段飛行機撮影に使っているEOS 5D MarkIVを購入して間もなく4年。メイン機材で飛行機から息子から撮影しまくっていたので、シャッター回数が10万回を超え、キヤノンでメンテナンスの時に「12万回をめどにシャッターユニットの交換をした方が良いですよ」とのアドバイス。耐久は15万回ですが、私自身使っている最中にシャッターが壊れて撮影できなくなっても困るので、オーバーホールに出すことにしました。

実はオーバーホールには3月をめどに、と思っていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大で、キヤノンのサービスセンターが臨時休業に。結局、持って行けたのは6月も末になってのことでした。2週間かかる、と聞いていたのですが、実際は1週間ほどで返って来ました。

で、オーバーホールした際にシャッター関連部品と、空転が若干あったメインダイヤル、それと掃除している時に傷をつけてしまったらしいフォーカシングスクリーンが交換になり、コストとしてはキヤノンフォトサークルの値引きが入って5万円弱。もちろんセンサーもクリーニングされていますし、他の調整もすべて実施済みで戻ってきています。

最近のキヤノンは、完全にミラーレスへのシフトを進めていて、開発資源をEOS RシリーズとRFレンズに集約しているようです。7月30日に発売したEOS R5、8月28日に発売したEOS R6を実質のEOS 5D/6Dシリーズの後継機として設定し、今後ミラーレスへのシフトを進めるでしょうから、EOS 5D MarkIVの後継機は出てこないと思っています。なので、光学ファインダーを搭載したフルサイズの一眼レフとして、如何にメンテナンスして維持するか、ということを考えないといけませんし、同時にEFレンズの維持についても考えなくてはいけない時期になってきたとも言えそうです。

使えるジャンクカメラ

以前カメラのカビだらけのレンズのクリーニングの話を書いたのだが、先日出かけた際に、カメラのキ〇ムラに寄る機会があった。出先にいくつか キ〇ムラ があるのだが、ジャンクコーナーに置かれているカメラやレンズはお世辞にも状態が良いものはなく、カビ取りクリーニングをするとか、一度ばらしてもう一度組み上げるとか、そんな作業が必要になるものが多い。

ところが先日、これが本当にジャンクなのか、と思うほど状態が良く、しかも
ニコマートELの黒
であった。ニコマートと言うと、今時はコンビニらしいのだが、その昔ニコンは、ニコンブランドを名乗れるのは、フラッグシップのFだけ、廉価版の一眼レフは、すべてニコマート(海外ではニッコールマート)という名前で販売していたらしい。亡き私の英語とカメラの師匠は、ニコマートFTNとELを持っており、過去FTNを購入して手元にあるので、奇しくも私自身もその2台を入手することとなった。1台1000円、シャッター切れるし露出計も動く。ということで買って帰った。ちなみにELはニコンでは初の電子シャッター搭載機で、絞り優先のオート機能がついている。ファインダーを覗くと、私の長年の相棒のFE2に近く、ピントも合わせやすかった。

普段はキヤノンだが、フィルムカメラに限ってはニコンのMFを持っている。化石のような旧ニッコールが2本、Aiニッコールが2本、オークションで買ったレンズと「ニコイチ」したタムロンの70-210mm(46A)があったので、早速そのうちの1本を取り付け、露出計を自宅でもチェックした。

若干オーバー気味かな、とは思ったものの、その後EOS M100と共に屋外で確認すると、ほぼ適正露出を指している様子。我が家では3台目のニコンのカメラ、ということになるのだが、この1台が1000円だったのはラッキーだった。

そしてその時に500円で売られていたのが、FE2のモータードライブ、MD-12。おそらく動作未確認で売られていたと思うのだが、こちらは自宅でFE2に取り付けて動作確認。すると、こちらも動いてしまった。
MD-12も、現在の1台だけではいつ壊れて動かなくなるかわからないので、予備が欲しいと思っていたのだが、500円で入手できてしまったのであった。

その後、オークションで28mm、メルカリで24mmを格安で入手できたので、現在我が家のニコンのマニュアルフォーカスフィルム一眼レフは、24、28、35、50、70-210と一通りそろえることができている。ELで撮影した写真は今度現像してみようと思っている。

ジャンクカメラを復活させる話~その後

以前、「ジャンクカメラを復活させる話」として、こんな記事を書いた。その時に2本のレンズと1台のカメラを復活させた話を書いたのだが、その後どうなったのかご報告しようと思う。


ニコンFE2については、電池の液漏れで使えなくなっていたMD-12を、こちらも半分ジャンク状態のものをオークションで入手。上手いこと動くようになったので、FE2とMD-12、それにタムロンの70-210mm F3.8-4(46A)で実際に空港で撮影してみた。カラーで撮影するにはすでに枯れた私の腕では怪しいので、今回はモノクロフィルムを詰めた。富士フィルムのネオパンアクロスを使用、ANAのB737のタッチダウンを狙ってみた。

この通り、普通に撮影できた。フィルムでの撮影故に、露出他かなりシビアだったが、何とか止められる写真になったようだ。後ろも流れているので、多分1/250秒あたりで押したと思うのだが、データをメモする習慣はすでになく、そのまま現像に出してしまった。
さて、これと共にシャッター幕修復をかけたAV-1もテスト撮影を実施した。こちらはFD 100-300mm F5.6を装着し、ドライブがないので一発勝負のタキシングショットにした。当時はこんな機材しかないので、撮影も一発勝負か頑張っても2発くらいだったはず。

こちらも普通に撮影できていた。この2本のレンズも問題なかったことを物語っており、わずか2000円で買ったフィルムカメラでもこの程度の写真は撮影できる、と言うことになる。もちろん、このカメラだと基本は一発勝負になるので、本戦で投入することは難しいかもしれない。
ちなみに私自身、フィルムカメラとしてデジタルとすべてのレンズが共用できるEOS-1Nをドライブ付きで持っており、普段のフィルム撮影はほぼ100%そちらで行っている。FE2やAV-1も、たまにはフィルムを装填して撮影してみると、過去を思い出すことができるものだ、と思った。

ジャンクカメラを復活させる話

先日からジャンクコーナーのカメラやレンズを修復する作業をしていた。500円や1000円と言った金額で購入したレンズやカメラ、カビが生えたものは分解清掃で、他にまったく問題なしや、軽微な問題で済む物が約半数、残りは本気で使い物にならないゴミである。買って問題なかったものもあるが、それなりに問題ありで購入し、上手く修復できたものが3件ほどあったのでまとめておきたい。

カメラのキタムラのジャンクコーナーにあったタムロンの80-210mm F3.8-4 (103A)。このレンズ、私の亡き写真の師匠が使っていたのと同じレンズで、私自身は後継モデルの70-210mm F3.8-4 (46A)を使用していた。1本500円ということで買って帰った。ほぼすべてのレンズにカビもしくはクモリあり。
比較的構造が簡単で、ネット上にも事例が散見されたこともあり、完全にカビ取りすることができたのだが、最後の最後に大きなミスをしてしまった。絞りとセットになっている後玉をクリーニングしようと絞りユニットのビスを緩めたところ、絞りがバラバラになってしまったのである。ここで作業を中断。復元してみようとしたが、どうにも無理。初心者にはハードルが高すぎた。
その後、オークションで複数のレンズを落札する時に、このレンズと同型のものを落札。最終的に複数のレンズの一番使えそうなパーツを集めて作った「ニコイチ」にして、組み上げ完了。EOS M5にアダプターを介して取り付け、撮影してみたところ、問題なく撮影でき、無限遠も取れているようだった。現在はFDマウント用の望遠レンズとして実戦使用している。

103Aで気をよくした私、かつて使っていた同じタムロンの70-210㎜ F3.8-4 (46A)についてもやってみることにした。このレンズ、亡くなった祖母が高校入学の時に買ってくれた思い出のあるレンズで、ニコンFE2と共に手放すことなく今に至っている。数年前に後玉にカビかクモリかよく分からないものが発生し、分解する順番を間違えて戻せなくなってしまっていた。
こちらもオークションで同一レンズの前玉にカビありの個体を500円で購入。後玉を入れ替えて修理完了。こちらも実質ニコイチだが、後玉周辺以外はオリジナルパーツで稼働している。
こちらもEOS M5で動作確認し、現在はニコンマウントのアダプトールを付けて現役に復帰させることができた。かつてのFE2+MD-12とこのレンズという、飛行機撮影初期の撮影セットが戻ってきたのであった。

基本的にモジュール化されているので、ニコイチ可能な部分も多々あったのが幸いしたと思っている。その後何本かニッコールやらFDやらシグマやらをバラしてみたが、タムロンの2本ほど上手くはいかなかった。

そして再びキタムラのジャンクコーナー。オークションでキヤノンの迷機、AV-1のシルバーを前日に1台落札していたのだが、ジャンクコーナーに同じAV-1のブラックが置いてあった。電子シャッター機故に電池を入れないと作動しないのだが、直感で「こいつは行ける」と思い、980円でお買い上げ。2台も同じカメラは要らないが、一方でオークションの個体は、記述を読む限りは使えそうだが「現状品」である。万が一のことも考えて買って帰った。
スプリットが斜めになっていることと、シャッター幕に傷が入っていることがジャンクの理由だが、スプリットはFDレンズをつけて動かしてみたところ問題なし。少しピント合わせはしづらいが、慣れれば大丈夫と判断した。シャッター幕については、写真の赤丸の所に傷があり、反対側が透けて見える(^_^;)

ネット上にあった墨汁と木工用ボンド、繊維をまぜ、傷のあるところに筆などで塗る、と言う方法で写真のように補修したところ、透けて見えなくなり、修理は完了。ここまで来て、露出計の動作がNGだったら、ただのゴミになってしまうのだが、こちらはEOSデジタルとISOを合わせて測定すると、同じ露出値を表示。ということで黒いAV-1はちょっとした補修で一応撮影可能なレベルに戻せてしまったので、ミラーやフィルム室の埃を除去し、ストラップをつけて使えるようにした。
一方、オークションで買ったAV-1は、露出計が完全に異常で、確かに「シャッター切れます、露出計『動きます』」の記述は間違っていないが、全く持って露出は正しくない。つまり、絞り優先専用機としては致命的。復活したAV-1ブラックの部品用に保管しておくことにしたが、まさかジャンクコーナーのカメラが復活し、オークションで使えそうな記述のあった個体が使えなかったというオチであった。ちなみにオークションの個体も1000円。このあたりの値段のカメラは、個体が古いこともあるが、判断が難しい気がした。